生活習慣の見直し(行動療法)は、肥満のある2型糖尿病にどのくらい効果がありますか?

1年で体重が8%ほど減ります。ただし血糖への効果は薄れます。

生活習慣を変える取り組み(行動療法)は、1年以内であれば体重も血糖も改善します。ただし、血糖については、年数が経つほど効果が小さくなっていきます。ここでは効果の大きさと持続を解説します。

行動療法の効果

目安としては、1年で体重が8%ほど(60kgの人なら5kgほど)減り、血糖の状態を表すHbA1cも下がります。ただし、血糖への効果は年数が経つにつれて小さくなっていきます。糖尿病診療ガイドライン2024では、肥満2型糖尿病に対する行動療法は、短期的には減量や血糖コントロールに有効であり、考慮してよい( 推奨グレードB)とされています。

体重への効果

アメリカで5,145人の肥満2型糖尿病患者さんを対象に行われた「Look AHEAD研究」と呼ばれている大規模研究では、手厚いカウンセリングを受けたグループの1年後の体重減少が、受けなかったグループよりはっきりと大きく(−8.6% 対 −0.7%)、その傾向は8年目でも続いていました(−4.7% 対 −2.1%)(糖尿病診療ガイドライン2024)。
食事と運動の両方に働きかけた研究をまとめた報告でも、取り組み前と比べた体重の変化は3ヶ月で2.7kg減少、6ヶ月で3.6kg減少、12ヶ月で3.8kg減少、24ヶ月で3.2kg減少と、年数が経っても保たれていました。

血糖への効果

1年以内は改善しますが、長く経つと効果は小さくなります。血糖の状態は、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー:過去1〜2ヶ月の血糖の平均を反映する値)で評価します。
上と同じ報告では、HbA1cの下がり幅は3ヶ月で1.11%、6ヶ月で0.67%、12ヶ月で0.28%、24ヶ月で0.26%と、時間が経つにつれて小さくなっていました。体重は減ったまま保たれる一方で、血糖への効果は薄れていく形です。
Look AHEAD研究でもHbA1cの低下が認められ、長期的にも維持されていましたが、取り組まなかったグループとの差は1年目に最も大きく、その後は年を追って小さくなりました。6件の研究をまとめて分析した報告(メタ解析)では、HbA1cは下がる傾向がみられたものの、はっきりとした差とは言えませんでした(糖尿病診療ガイドライン2024)。

行動療法の具体的な内容

日本肥満学会は7つの留意点を示しています(糖尿病診療ガイドライン2024)。カッコ内はわかりやすく言い換えたものです。

  • セルフモニタリング(体重や食事を自分で記録する)
  • ストレス管理(ストレスとの付き合い方を工夫する)
  • 先行刺激のコントロール(食べ過ぎのきっかけになるものを身のまわりから減らす)
  • 問題点の抽出と解決(うまくいかない原因を見つけて対策を立てる)
  • 修復行動の報酬による強化(できたときに自分をほめて、続けやすくする)
  • 認知の再構築(「一度食べ過ぎたらもう終わり」といった極端な考え方を見直す)
  • 社会的サポート(家族や周囲の協力を得る)

特にセルフモニタリングの重要性は高く、毎日の体重測定と、その記載による視覚的なフィードバックが減量効果を高めることが実証されています。取り組み方については、医療機関への受診をご検討ください。

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関連する病気と症状

(参考文献)

日本糖尿病学会 編・著『糖尿病診療ガイドライン2024』南江堂, 2024(第13章 13-2「肥満2型糖尿病への行動療法は減量や血糖コントロールに有効か?」推奨グレードB)
Cradock KA, et al. Behaviour change techniques targeting both diet and physical activity in type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis. Int J Behav Nutr Phys Act. 2017;14(1):18. doi:10.1186/s12966-016-0436-0

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はまさき医院 糖尿病・内分泌科

濵﨑 秀崇 監修

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