おしっこが出にくい、少ない
という症状の原因と、関連する病気をAIで無料チェック
更新日:2023/07/26
「おしっこが出にくい、少ない」がどの病気に関連するかAIでチェックする
おしっこが出にくい、少ないという症状について「ユビー」でわかること
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「おしっこが出にくい、少ない」はどんな症状ですか?
おしっこが出にくい、少ないとは
「おしっこが出にくい、少ない」に関連する主の病気には、慢性腎臓病・慢性腎不全、過活動膀胱、熱中症などがあります。
「おしっこが出にくい、少ない」に関連する症状はありますか?
「おしっこが出にくい、少ない」のQ&A
- A.
尿意を感じてトイレに行っても、実際には排尿できない状態を指します。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る尿意があるのに尿が出ないときは、大きく分けて二つの状態があります。
ひとつは、実際に尿がたくさんたまっているのに尿がでない状態で、もうひとつは尿があまりたまっていないのに異常な尿意を感じてしまう状態です。尿がたくさんたまっているが尿がでない場合
尿が十分たまっているのに尿を出すことができないことを、医学的に「尿閉」と言います。原因や程度はさまざまですが、主な原因には、膀胱の収縮力の低下や膀胱出口部の閉塞(前立腺肥大症など)などがあります。
急に起こった場合は、膀胱が緊満するために下腹部に強い痛みを伴い、押すとさらに痛むことがあります。尿は常時つくられますので、徐々に痛みが増します。また、長い時間をかけて(慢性的に)起こる場合もあります。その場合は、自覚症状がないことが多いです。尿があまりたまっていないが異常な尿意を感じる場合
膀胱に尿がそこまでたまっていないのに尿意を感じて、トイレに行っても尿が思ったより出ないことがあります。これを、医学的には「尿意切迫感」や「残尿感」、「膀胱テネスムス」と言うことがあり、膀胱が異常に尿意を感じることが原因です。日中や夜間に頻尿になることがあります。
なお、尿がたまっているかどうかは、超音波(エコー)検査をすることでわかります。
症状で困っている場合は我慢せずにお近くの泌尿器科を受診しましょう。 - A.
尿道を取り囲む前立腺が大きくなることで、尿の回数が増える、突然強い尿意を感じる、尿の勢いが弱くなるなどの症状が生じる病気です。
解説男性の膀胱の出口には、尿道を取り囲むようにして「前立腺」という臓器があります。前立腺は男性ホルモンによって増殖しやすくなるため、年齢が増すにつれて大きくなる傾向があります。
前立腺が大きくなった状態を前立腺肥大症と呼び、これによって尿道への圧迫が強くなると、- 尿が出にくくなる
- いきなり尿意を催す
- 尿が頻回に出る
などの症状を起こすことがあります。
より詳しい症状などは「前立腺肥大症とはどのような病気ですか?」をご参照ください。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本泌尿器科学会. 男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン. リッチヒルメディカル. 2017
C.G. Roehrborn. Rev Urol. 2005, 7 Suppl 9, S3-S14. - A.
膀胱の運動を制御する神経や筋肉に異常が起こり、膀胱がうまく収縮できず尿が出にくくなる病気です。
解説膀胱収縮障害とは、膀胱の神経や筋肉の異常によって膀胱がうまく収縮できないために、たまった尿を排出しにくくなる病気です。排尿できずに膀胱に残った尿(残尿)が徐々に増えるため、悪化すると排尿しようとしても尿が出なくなる「尿閉」になることがあります。
排尿するときに膀胱が収縮するメカニズムとして、「脳からの信号が脊髄を通り、骨盤神経という神経を介して膀胱に伝わり、膀胱の筋肉が収縮することで、膀胱が全体的に収縮する」というものがあります。
そのため、このメカニズムに問題がおきて膀胱の収縮力が低下すると、膀胱収縮障害が生じます。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本泌尿器科学会.尿が出にくい・尿の勢いが弱い・尿をするのに時間がかかる.日本泌尿器科学会【一般のみなさま】,https://www.urol.or.jp/public/symptom/05.html(参照 2024-05-02)
de Groat WC, et al. Compr Physiol. 2015,5,327-396.
榊原隆次. 神経因性膀胱ベッドサイドマニュアル 改訂第2版. 中外医学社. 2023
日本排尿機能学会など. 脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン 2019年版. 中外医学社. 2019
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会. 過活動膀胱診療ガイドライン第3版. リッチヒルメディカル. 2022 - A.
尿意があるのに尿が出ない場合、膀胱収縮障害や、男性の場合には前立腺肥大症の可能性が考えられます。
解説尿意があるのに尿が出ない場合は、主に、尿がたまっているのに排出できないという「尿閉」が考えられます。
しかし、過活動膀胱や膀胱炎などでもこの症状が起こる可能性はあります。いずれも放置すると悪化することがあるので、症状が気になったら泌尿器科を受診しましょう。
「尿閉」の原因としては以下の病気などが考えられ、それぞれが合併して起こることもあります。膀胱の病気
下腹部のあたりに「膀胱」という袋状の臓器があります。膀胱には、尿をためる機能と、たまった尿を体外に排出する機能があります。この膀胱の収縮力が低下したり、膀胱の出口が何かで詰まったりすると、尿を出せなくなることがあります。
- 低活動膀胱
- 膀胱タンポナーデ
- 膀胱結石
- 膀胱がん
など
前立腺の病気
男性の膀胱の出口には、尿道を取り囲むようにして「前立腺」という臓器があります。病気によって尿道への圧迫が強くなると、尿が通れなくなることがあります。
など
尿道の病気
尿は膀胱から尿道を通って体外に排出されます。逆に尿道が通れないと尿を体外に出すことができなくなります。
- 尿道損傷
- 尿道狭窄症
- 尿道結石
など
その他の病気
神経系や骨盤内の構造に異常が生じると、膀胱や尿道がうまく機能できず、尿が出せなくなることがあります。
神経因性膀胱
など
薬剤性
- アルコール
- 風邪薬(抗コリン薬)
など
骨盤臓器脱
- 膀胱瘤
- 子宮脱
など
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見るB.A. Selius, et al. Am Fam Physician. 2008, 77, 0643-0650.
B. Lucke-Wold, et al. Clin Neurol Neurosurg. 2020, 189, 105614. - A.
尿が出せなくなった場合はすぐに泌尿器科を受診し、カテーテルを使用して尿を排出する必要があります。
解説尿が出せない場合は、自分ではどうにもできないことが多いので、まず深呼吸してリラックスしましょう。
次に、下腹部が硬いか、痛いか、押すと痛みが増すかを確認しましょう。下腹部の症状がある場合
実際に尿がたまっているかどうかによって対応が異なりますが、近くの泌尿器科に連絡して速やかに受診しましょう。
下腹部に特に症状がない場合
当日中に近くの泌尿器科に受診しましょう。
ただし、といった症状もある場合は、脳や脊髄など神経系の病気の可能性があります。救急科や内科を先に受診できるように地域の病院に連絡しましょう。
脳や脊髄の緊急の病気でなく、実際に泌尿器科に受診された場合は、以下のような対応がなされることが多いです。
まず、超音波(エコー)検査で膀胱内に尿がたまっているか確認します。尿がたまっている場合
下腹部の症状もある場合は、カテーテルを膀胱に留置して膀胱を空にして、α1遮断薬などを飲んでもらいつつ、しばらく生活していただきます。原因の病気が分かればさらに治療を加えて、カテーテルを留置してから数日~4週間後あたりにカテーテルを抜去できるかなどを検査します。
下腹部の症状があまりない場合は、慢性的に尿閉の状態(慢性尿閉)の可能性があります。状態に合わせて、定期的に排尿してもらう行動療法や、カテーテルによる導尿、薬物療法などを検討します。尿がたまっていない場合
症状に対する対症療法を行いつつ、原因があれば原因に対する治療を行います。
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見るB.A. Selius, et al. Am Fam Physician. 2008, 77, 0643-0650.
B. Lucke-Wold, et al. Clin Neurol Neurosurg. 2020, 189, 105614.
榊原隆次. 神経因性膀胱ベッドサイドマニュアル 改訂第2版. 中外医学社. 2023
日本排尿機能学会など. 脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン 2019年版. 中外医学社. 2019
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会編. 二分脊椎に伴う下部尿路機能障害の診療ガイドライン2017年版. リッチヒルメディカル. 2017
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会. 過活動膀胱診療ガイドライン第3版. リッチヒルメディカル. 2022 - A.
基本的には薬を使用しますが、患者さんに合わせて内視鏡での手術を行うこともあります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る男性の膀胱の出口には、尿道を取り囲むようにして「前立腺」という臓器があります。前立腺肥大症は、この前立腺の中の細胞が異常に増殖することによって、膀胱から尿道まで(下部尿路)の機能に障害が起こる病気です。
前立腺肥大症では、基本的には薬物治療と手術を患者さんに合わせて行います。カテーテルでの治療
前立腺肥大症があって「尿意があるのに尿がでない」場合は、膀胱が膨らみすぎて尿が出なくなっていること(尿閉)が多いです。そのため、まずはカテーテルというやや細く柔らかいストロー状の管を尿道から膀胱に入れて留置することで、たまりすぎた尿を排出します。
薬物治療
薬物治療も同時に行い、カテーテルを留置して数日〜1ヶ月程度経過した後に抜去して、きちんと排尿できるか確認します。残尿がなければ薬物療法を継続し、カテーテルの再留置はしません。しかし、残尿が多い場合などは再び尿閉になることが多く、再度カテーテルを留置することや、自分で導尿していただき、手術を検討することがあります。
それぞれ以下もご参照ください。 - A.
薬を使う方法が多いですが、症状が重い場合は、カテーテルでたまっている尿を排出することや、手術をすることもあります。
解説膀胱収縮障害とは、膀胱がうまく収縮できないためにたまった尿を排出しきれないという病気です。排尿できずに膀胱に残った尿(残尿)が徐々に増えるため、悪化すると排尿しようとしても尿が出なくなる「尿閉」になることがあります。
神経因性膀胱や前立腺肥大症などが原因で起こることがあり、原因や症状の強さ、経過に合わせて、以下の治療法を組み合わせます。薬物治療
薬を使い分けて、尿道の筋肉を緩めて排尿に必要な収縮力を減らす方法や、膀胱の収縮力を増やす方法があります。
- α1受容体遮断薬
- コリン作動薬
逆に膀胱の収縮力を弱める副作用がある薬(抗コリン薬など)を減らす方法もあります。
カテーテルを用いた方法
間欠的自己導尿
とても細く柔らかいストロー状の管(カテーテル)を尿道から膀胱に入れて尿を外に出して、膀胱を空にする作業(導尿)を1日数回行う方法です。この方法はきちんと行うことで、発熱を伴う尿路感染症や腎機能の低下を予防できることが報告されています。
手法によっては尿道を傷つけてしまう可能性があるため、医療機関でしっかり教えてもらいましょう。尿道カテーテルの留置
やや細く柔らかいストロー状の管(カテーテル)を尿道から膀胱に入れて、留置する方法です。頻回な自己導尿が困難な場合や、急に尿閉になった場合など、状況に応じて行います。約1ヶ月に1回交換することが多く、交換しつつ長期的に継続することもありますが、その場合は尿道を傷つけるリスクや尿路感染症、膀胱結石、尿道狭窄、膀胱がんなどの発生に注意する必要があります。
手術療法
尿道の抵抗を減らす手術
前立腺肥大症や膀胱結石、骨盤臓器脱、重度の尿道狭窄症に対する手術などがあります。手術によって尿が尿道を流れやすくなるため、膀胱の負担を減らすことができます。ただし、完全に治るかどうかは病気ごとの重症度や再発率によります。手術をご希望される際は、しっかりと担当医と相談しましょう。
尿路変更術
どうしても導尿が難しい場合や、尿道カテーテルを長期間留置する必要がある場合などは、恥骨の少し上の体表から膀胱につながる穴(膀胱瘻)を作り、専用のカテーテルを留置することがあります。
また、腸を袋状にして尿を溜める構造や、体外に尿を出せる構造(回腸導管)にする方法もあります。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本泌尿器科学会.尿が出にくい・尿の勢いが弱い・尿をするのに時間がかかる.日本泌尿器科学会【一般のみなさま】,https://www.urol.or.jp/public/symptom/05.html(参照 2024-05-02)
B.A. Selius, et al. Am Fam Physician. 2008, 77, 0643-0650.
榊原隆次. 神経因性膀胱ベッドサイドマニュアル 改訂第2版. 中外医学社. 2023
日本排尿機能学会など. 脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン 2019年版. 中外医学社. 2019
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会編. 二分脊椎に伴う下部尿路機能障害の診療ガイドライン2017年版. リッチヒルメディカル. 2017
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会. 過活動膀胱診療ガイドライン第3版. リッチヒルメディカル. 2022 - A.
尿意があるのに尿が出ない場合は、我慢せずに泌尿器科を受診してください。
解説尿意はあるのに尿がほとんど出ない場合は、一度泌尿器科を受診しましょう。
ただし、下腹部がやや固く、痛みがある場合(特に押すとさらに痛む)は、その日のうちに泌尿器科に受診しましょう。- 尿が赤いことがある方(血尿)
- 喫煙している方(尿意はあるのに尿がほとんど出ない症状で困っていなくても)
は、膀胱がんなどが隠れている可能性があるので、泌尿器科に受診しましょう。
また、くも膜下出血や硬膜下血、てんかん、脊髄損傷などの脳や脊髄に関わる病気でも尿閉は生じますので、などがあった場合には、泌尿器科と別に、内科なども受診した方がよいです。
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見るB.A. Selius, et al. Am Fam Physician. 2008, 77, 0643-0650.
B. Lucke-Wold, et al. Clin Neurol Neurosurg. 2020, 189, 105614.
おしっこが出にくい、少ないという症状はどんな病気に関連しますか?
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おしっこが出にくい、少ないという症状について、医師からのよくある質問
- これまでに【前立腺肥大症】と診断されたことはありますか?
- 【慢性腎臓病・腎不全(腎臓機能が3ヶ月以上低下)】と言われたことがありますか?
- 尿を出すときに痛みはありますか?
- 背中が痛みますか?
監修医師
診療科・専門領域
- 小児科
- 救急科