黄色ブドウ球菌感染症の場合、主にどのような治療をしますか?

抗菌薬の使用が基本で、重症例では場合により、外科的処置や呼吸器管理なども行います。

解説

黄色ブドウ球菌感染症の治療は、感染部位、重症度、患者さんの状態などによって異なりますが、主に以下のような治療が行われます。

1. 抗菌薬療法

黄色ブドウ球菌に効果のある抗菌薬を使用します。

  • 外用薬: 軽症の皮膚感染症(おでき、とびひなど)には、抗菌薬の塗り薬が用いられます
  • 内服薬: 感染範囲が広い場合や、外用薬だけでは効果が不十分な場合、または全身症状がある場合には、抗菌薬の飲み薬が用いられます
  • 点滴薬: 重症の場合(敗血症肺炎、髄膜炎など)や、内服薬の効果が不十分な場合には、抗菌薬の点滴が行われます

2. 外科的処置

  • 切開排膿: 膿がたまっている場合(おでき、ひょう疽など)には、皮膚を切開して膿を出す処置(切開排膿)が行われることがあります。これにより、治癒が早まり、痛みが軽減されます
  • デブリードマン: 感染が広範囲に及んでいる場合や、壊死組織がある場合には、感染組織や壊死組織を除去する手術(デブリードマン)が行われることがあります

3. 対症療法

  • 解熱鎮痛薬: 痛み、発熱に対して用いられます
  • 安静: 全身症状がある場合には、安静を保つことが重要です
  • 水分補給 食中毒の場合には、脱水を防ぐために、十分な水分補給を行います

4. その他の治療

  • MRSA感染症の場合: メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染症の場合には、通常の抗菌薬が効きにくいため、バンコマイシンなどの特定の抗菌薬が用いられます


黄色ブドウ球菌感染症の治療は、抗菌薬療法を中心に、外科的処置や対症療法を組み合わせて行われます。症状が軽いうちに、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

公開日

最終更新日

富士在宅診療所 一般内科

本間 雄貴 監修

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