肺MAC症(肺非結核性抗酸菌症)は、気管支拡張症とどのような関係がありますか?
気管支拡張症の原因となる病気のひとつに、肺非結核性抗酸菌症があります。
肺非結核性抗酸菌症の一種である肺MAC症と気管支拡張症は密接な関係があります。
気管支拡張症では、気管支が不可逆的に拡張し、粘液の蓄積や炎症が起こりやすくなります。この状態は、非結核性抗酸菌(NTM)、特にMAC(Mycobacterium avium complex)にとって、増殖しやすい環境を提供します。
逆に気管支拡張症は、細菌感染やウイルス感染などの感染症の後遺症として発症することがあり、非結核性抗酸菌症の後遺症としても起こり得ます。
肺非結核性抗酸菌症のなかで、Mycobacterium aviumとM. intracellulareの2菌種(併せてMycobacterium avium complex〈MAC;マック〉と呼ばれる)によるものが肺MAC症と呼ばれ、およそ9割を占めます。MACは、水や土壌など自然環境中に広く存在し、健康な人でも感染する可能性があります。
肺MAC症は、気管支拡張症の患者さんの10~20%に発症すると推定されています。 また、肺MAC症は、気管支拡張症の悪化や呼吸不全のリスクを高める可能性があります。
公開日:
最終更新日:
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
I-01 気管支拡張症.一般社団法人日本呼吸器学会,https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/i/i-01.html(参照 2024-10-25)
. Epidemiology of bronchiectasis. . , , .
. Bronchiectasis management in adults: state of the art and future directions. . , , .
日本結核・非結核性抗酸菌症学会. 結核症の基礎知識(改訂第5版)Ⅶ.非結核性抗酸菌症. 日本結核・非結核性抗酸菌症学会. 2021, 96, 93-123.
徳田 均. 気管支拡張症revisited -古くからの病気を新しい光の下で見直す. 呼吸臨床. 2017, 1, .
菊地 利明ほか. 肺非結核性抗酸菌症の最前線. 日内会誌. 2018, 107, 292-297.
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
気管支拡張症
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラサービスの目的と位置付け
ユビー病気のQ&Aは、情報提供を目的としたサービスのため、医師・医療従事者等による情報提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする場合は、医師・医療機関にご相談ください。
当サービスは、信頼性および正確な情報発信に努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。