気管支拡張症の場合、主にどのような治療をしますか?

薬物療法と非薬物療法があります。。

解説

気管支拡張症には大別して薬物療法と非薬物療法があります。

薬物療法

マクロライド系抗生物質の長期服用

抗炎症作用と免疫調節作用により、気管支拡張症の悪化を減らすのに役立ちます。
注意すべき点として胃腸障害、QT延長、聴覚障害のリスク、耐性菌の発生を監視する必要があることが挙げられます。

吸入抗生物質

気管支拡張症の患者さん、特に緑膿菌に感染している患者さんに処方されることがあります。
吸入抗生物質は、気道内の細菌量を減らし、悪化を防ぐのに役立ちます。
吸入時間などの治療負担の増加や、抗生物質耐性出現のリスク増加などの欠点もあります。

その他の薬物療法

気管支拡張症の治療には、去痰薬、粘液溶解薬、気管支拡張薬、吸入ステロイドなども使用されることがあります。
高張食塩水は、粘液線毛クリアランスを改善し、肺機能と生活の質を向上させることが示されています。
また、気管支拡張症の好酸球性サブタイプには、抗Th2生物製剤が有効である可能性があります。
好酸球性気管支拡張症に対する抗インターロイキン(IL)-5または抗IL-5受容体モノクローナル抗体の有効性が報告されており、悪化率と肺機能の著明な改善が示されています。

非薬物療法

呼吸リハビリテーション

運動療法、呼吸法、教育、栄養指導などを組み合わせた呼吸リハビリテーションは、気管支拡張症の患者さんの運動能力、呼吸困難、生活の質を向上させるのに役立ちます。

気道クリアランス法

気道から粘液や分泌物を除去するのに役立ちます。 いくつかの方法がありますが、具体的な手法としては、体位ドレナージ、振動、の補助などがあります。

酸素療法

重度の気管支拡張症の患者さんでは、血液中の酸素レベルが低い場合があり、酸素療法が必要になることがあります。

手術

まれに、重症の気管支拡張症の患者さんでは、手術が必要になることがあります。
手術の選択肢としては、肺の一部を切除する肺葉切除術や、気管支拡張症を起こしている気管支を閉じる気管支閉鎖術などがあります。

カテーテル治療

血痰や喀血がある場合には、止血剤の投与が行われますが、大量の喀血や止まらない喀血の場合には、カテーテルを使って出血を止めます。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

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