下垂体炎は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

治療の中心はステロイド(グルココルチコイド)です。血糖値の上昇や胃腸障害、精神症状などが副作用として現れることがあります。長期使用例では満月様顔貌、体重増加、骨粗鬆症、筋力低下が起こることがあります。

解説

1. グルココルチコイド(下垂体の炎症を抑える薬)

プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンなど

  • 血糖上昇(糖尿病の悪化)、不眠、興奮や気分の落ち込み、胃腸障害(胃潰瘍など)などが短期的な副作用として起こることがあります。
  • 長期・高用量使用例では、満月様顔貌、体重増加、骨粗鬆症、筋力低下、易感染性、緑内障白内障、皮膚菲薄化などが現れます。急な減薬・中止によるステロイドの離脱症候群にも注意が必要です。

2. 免疫抑制薬(難治例またはステロイド抵抗例)

アザチオプリン、メトトレキサート、リツキシマブ(特にIgG4関連疾患で使用される)​

  • アザチオプリンの副作用として、骨髄機能の抑制(白血球や血小板数の減少)、肝障害、胃腸障害などがあります。
  • メトトレキサートの副作用として、口内炎間質性肺炎肝機能障害、催奇形性(胎児に奇形を起こす)などがあります。
  • リツキシマブの副作用として、発熱、リンパ球(B細胞)減少による感染症のリスク(特に帯状疱疹など)があります。

3. デスモプレシン(中枢性尿崩症に対する治療薬)

  • 主な副作用として、水中毒(低ナトリウム血症)、頭痛吐き気、むくみなどがあります。

4. ホルモン補充療法に使われる薬剤と副作用

  • ヒドロコルチゾン(コートリルⓇ)は長期投与でステロイドと同様の副作用を起こすことがあります。
  • レボチロキシン(チラーヂンSⓇ)は心悸亢進、不眠、投与量が多すぎると骨量の減少などを起こすことがあります。
  • テストステロン製剤は赤血球数の増加、肝機能障害、前立腺肥大などを起こすことがあります。
  • エストロゲン・プロゲステロン製剤は血栓症、乳房緊満感、吐き気などを起こすことがあります。
  • 成長ホルモン製剤は血糖値の上昇、むくみ、関節痛などを起こすことがあります。

公開日

最終更新日

医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科

濵﨑 秀崇 監修

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