下垂体炎は治りますか?
原因や重症度によります。自己免疫性下垂体炎はステロイドで改善しやすいですが、ホルモン補充が必要になることも。感染性やその他は原因疾患の治療が必要です。
下垂体炎が治るかどうかは、炎症の原因や重症度、下垂体機能の障害の程度、治療の開始時期などによって異なります。
自己免疫性下垂体炎(リンパ球性下垂体炎)の場合、ステロイド治療によって炎症が抑えられ、症状が改善することが多いですが、下垂体のホルモン分泌機能が完全に回復しないこともあります。
その場合は、甲状腺ホルモン、コルチゾール、性ホルモンなどのホルモン補充療法が必要になります。
感染性下垂体炎の場合は、原因となる細菌や真菌を特定し、抗生物質や抗真菌薬で治療します。感染が早期に制御されれば、炎症も改善し、機能が回復する可能性がありますが、重症化すると下垂体機能が永続的に障害されることもあります。
肉芽腫性下垂体炎や特発性下垂体炎の場合は、原因疾患(例:サルコイドーシス)に対する治療や、ステロイドや免疫抑制剤が使われることがあります。完全に治癒することもありますが、慢性化することもあります。
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
(参考文献)
Jaya Naran et al.“Lymphocytic Hypophysitis”.National Library of Medicine.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK562255/,(参照 2025-06-11).
Patrizio Caturegli et al.“Autoimmune hypophysitis”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15634713/,(参照 2025-06-11).
一般社団法人 日本内分泌学会.“間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き(平成 30 年度改訂)”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/endocrine/95/S.May/95_1/_pdf,(参照 2025-06-11).
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
下垂体炎
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ