ポンペ病の患者さんの数や発症率を教えてください。

ポンペ病は出生10万人あたり1〜2人程度と非常にまれな遺伝性疾患です。

ポンペ病の発症率は、世界的には10万人あたり1〜2人と報告されており、日本ではさらにまれとされます。

ポンペ病は、筋肉や心臓に糖(グリコーゲン)がたまる遺伝性代謝疾患で、非常にまれな病気です。国や地域によって発症率の報告には幅があり、その要因として、

  • 「遺伝子変異の地域差」
  • 「スクリーニング(生まれてすぐの検査)を行っているかどうか」
  • 「検査へのアクセスしやすさ」
  • 「偽陽性(検査では異常と判定されるが、実際にはポンペ病ではない状態)・偽欠損(遺伝子に生まれつき「酵素活性が低く測定されやすい変化」があるが、病気としての症状は起こらないもの)の報告」

などが考えられます。

統計調査から、以下のような発症率・患者さん数の目安が明らかになっています。

世界規模の新生児スクリーニングデータを整理した研究では、「出生10万人あたり約1.5〜2.4人」という頻度が示されています。また数カ国1,160万人を超える乳児を対象とした最近の新生児スクリーニング分析では、すべてのポンペ病を合わせた出生有病率は約18,700出生に1人 (10万人あたり約5.3人) と推定されました。​

発症率は乳児型と遅発型で異なり、乳児型がポンペ病全体の約10~20%を占め、遅発型の方が相対的に頻度が高いとするデータもあります。

診断されていない症例もいることを考えると患者さんの絶対数を出すのは難しいですが、ポンペ病は非常にまれな病気であると理解できます。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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