ポンペ病の診断基準を教えてください。

確定診断は酵素活性低下と遺伝子変異の確認で行います。あわせて心臓・筋力評価も重要です。

ポンペ病の診断は、酵素活性の低下とGAA遺伝子の変異の確認を中心に行われます。

ポンペ病は、筋肉や心臓に糖(グリコーゲン)がたまってしまう遺伝性の病気で、「酸性α-グルコシダーゼ」という酵素が不足することが原因です。そのため診断では、この酵素がどれくらい働いているか(酵素活性)と、原因となる遺伝子の変化(GAA遺伝子変異)の2つを確認することが最も重要です。

  • 酵素活性の測定:ポンペ病診断の第一歩は、血液(ろ紙血または白血球)、皮膚(線維芽細胞)などを用いて酸性α-グルコシダーゼの働きを測定することです。酵素活性が明らかに低い場合、ポンペ病が強く疑われます。これは診断に必須の検査です。
  • 遺伝子検査(GAA遺伝子):酵素活性が低かった場合、次にGAA遺伝子の変異を調べて確定診断します。乳児型(重症型)・遅発型(幼児期~成人発症型)の区別も、この遺伝子変化の種類から推定できることがあります。

診断の核となる検査は上記2つですが、それ以外にも、心臓、筋力、運動発達、呼吸機能などが、重症度や病型を把握するための評価として検査されます。

実際の診断の流れとしては、 ろ紙血による新生児スクリーニング陽性時、あるいは発症年齢や筋力低下のパターン、心筋症や呼吸器障害などから臨床的にポンペ病が疑われた場合に検査が行われます。検査結果を臨床像と照らし合わせ、乳児発症型ポンペ病と晩発型ポンペ病、保因者または偽欠損症として分類します。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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