ポンペ病の検査は必要ですか?

早期治療が重要なため、スクリーニングや症状出現時の検査は非常に有用で必要性が高いです。

ポンペ病のスクリーニング検査(生後数日で行う血液検査)は非常に有用です。また、疑わしい症状がある場合も検査が必要です。

ポンペ病は、筋肉にグリコーゲン(体のエネルギー源)が異常にたまり、筋力低下や心臓の肥大を起こす先天性代謝異常症です。治療法が確立しており、早期に治療を始めるほど予後がよくなることがわかっているため、検査は「疑わしければ早く行うほど意味がある」という性質があります。

① 新生児スクリーニングとしての必要性

多くの国や地域で、ポンペ病は新生児スクリーニングの対象になっています。乳児型ポンペ病は筋力低下、呼吸が弱い、哺乳力が弱い、心肥大などが生後すぐに現れることが多く、見逃すと重症化する恐れがあります。一方で、発症前に診断することができれば命を救い、心臓や運動機能の障害を予防できます。

② 症状がある場合の検査の必要性

幼児期~成人で発症する「遅発型ポンペ病」もあり、症状がある場合は、酵素活性検査、遺伝子検査を行うことで早期診断が可能です。特に原因不明の筋力低下(ぐったりしている、疲れやすい、力が入らない)、息切れ、呼吸苦、心肥大、体重増加不良などの症状がある場合には検査がすすめられます。

無症状で、ポンペ病の家族歴もなく、新生児スクリーニングで異常も見られなかった場合には、ポンペ病の検査は必要ありません。一方で、検査自体のリスクは低く、早期発見で治療効果が大きく変わるため、疑わしい症状があるなら検査のメリットが非常に大きい病気です。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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