甲状腺機能障害の原因は何がありますか？

甲状腺機能障害の主な原因は、自己免疫、ヨウ素の異常、薬剤、手術・放射線、腫瘍、感染症、加齢による変化などです。

甲状腺機能低下症の主な原因は、橋本病（自己免疫による慢性的な甲状腺の炎症）で、甲状腺組織の破壊によりホルモン産生が低下します 。その他、甲状腺の摘出術、放射線治療、抗甲状腺薬・リチウム・アミオダロンなど薬剤性、ヨウ素過剰や欠乏、脳（視床下部・下垂体）の障害も原因となります。

潜在性甲状腺機能低下症の主な原因は、橋本病や加齢による変化です。進行すると明らかな甲状腺機能低下症に移行することがあります。

甲状腺機能亢進症の主な原因はバセドウ病で、TSH受容体刺激抗体の自己免疫作用によって甲状腺ホルモンが過剰に作られる状態となります。中毒性結節性甲状腺腫や機能性腺腫など結節（甲状腺のしこり）が原因となることもあります。

また、無痛性甲状腺炎・亜急性甲状腺炎では、自己免疫またはウイルス感染による甲状腺の破壊で細胞に貯えられていたホルモンが漏れ出ることで、一時的な甲状腺中毒症を起こします。