慢性骨髄性白血病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
治療選択肢には別のTKI(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ポナチニブ)、アシミニブ、造血細胞移植、化学療法があります。
慢性骨髄性白血病(CML)の治療で主に使われるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が効かない場合、症状や病状に応じて、個々の患者さんに最適な治療法が選択されます。
以下はその選択肢です。
TKIの変更
イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ポナチニブなど、別のTKIが選択肢になります。
アシミニブ
新しいタイプのTKIであり、上記のTKIの変更でも効果が得られない場合に選択肢になります。
造血細胞移植(骨髄移植など)
健康なドナー(提供者)からの造血細胞を移植し、正常な血液細胞を再生させる治療法です。適切なドナーが必要であり、重篤な合併症が生じるリスクを伴います。
化学療法
抗がん剤による治療も考慮されますが、一般的には「急性転化」という急速な進行を示す状態の場合に用いられます。
公開日:
最終更新日:
名古屋大学病院 小児がん治療センター 血液内科
秋田 直洋 監修
(参考文献)
NATIONAL CANCER INSTITUTE.“Chronic Myelogenous Leukemia Treatment (PDQ®)–Patient Version”.NATIONAL CANCER INSTITUTE.https://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/cml-treatment-pdq,(参照 2024-07-23).
国立研究開発法人国立がん研究センター.“慢性骨髄性白血病”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/CML/index.html,(参照 2024-07-23).
Hochhaus A, Baccarani M, Silver RT, et al. European LeukemiaNet 2020 recommendations for treating chronic myeloid leukemia. Leukemia 2020; 34: 966–984.
日本血液学会. 造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版. 金原出版. 2023
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「慢性骨髄性白血病」とはどのような病気ですか?
血球を産生する造血幹細胞に異常が起こる血液のがんのひとつで、白血球や血小板が異常に増える病気です。
慢性骨髄性白血病の原因は何がありますか?
造血幹細胞にフィラデルフィア染色体という染色体異常が生じ、血液細胞ががん化することが原因です。
慢性骨髄性白血病ではどのような症状がありますか?
疲れやすさ、体重減少、発熱が一般的です。進行すると脾臓の腫れによる左上腹部の違和感、感染症のリスク増加、貧血による息切れや動悸、頭痛、目のかすみ、手足のしびれが現れます。
慢性骨髄性白血病には初期症状はありますか?
初期には症状が乏しいことが多いです。疲れやすさ、体重減少、発熱がみられることがあります。
慢性骨髄性白血病の場合、主にどのような治療をしますか?
チロシンキナーゼ阻害剤という薬を主に使用します。造血細胞移植を行う場合もあります。
慢性骨髄性白血病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
内科(血液内科)を受診してください。
慢性骨髄性白血病のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
慢性骨髄性白血病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
チロシンキナーゼ阻害薬が主に使用され、代表的な薬はイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブです。副作用には胃腸の不調、疲労感、皮膚の異常、むくみ、筋肉や関節の痛みがあります。
慢性骨髄性白血病の場合、日常生活で気を付けることはありますか?
薬の服用、副作用の管理、定期検査、感染予防、健康的な生活習慣が重要です。
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