先天異常児(奇形児)はエコーでわかりますか?
多くの先天異常は妊娠中の超音波(エコー)検査で早期発見が可能です。
「奇形児」という言葉は現在では使われず、正しくは「先天異常児」と呼ばれます。先天異常とは、生まれつき体の一部の形や働きに違いがある状態のことです。多くの先天異常は、妊娠中の超音波(エコー)検査である程度見つけることができます。日本では妊婦健診の中で、妊娠11〜13週ごろ、18〜22週ごろ、30週前後に胎児エコーを行い、頭や心臓、腹部、手足などの形を確認します。とくに妊娠20週前後に行う「精密超音波検査」は、心臓や脳、背骨、腹壁などの重大な構造異常を発見するうえで重要です。
ただし、すべての異常がエコーで確認できるわけではありません。胎児の向きや母体の体型、羊水の量などにより、見えにくいことがあり、生まれてから初めてわかる軽い異常もあります。出生前超音波検査での先天異常の検出率は、およそ50〜70%とされ、重い異常ほど見つかりやすい一方で、心臓や骨格、顔の細かな異常などは見逃されることもあります。
最近では、必要に応じて「胎児精密超音波検査」や「胎児MRI」、「母体血を用いた染色体検査(NIPT)」を組み合わせて、より詳しく評価することもできます。これにより、早い段階で赤ちゃんの状態を知り、専門医療機関での出産や出生後の治療体制を整えることが可能になります。
超音波検査は、胎児の健康を守るうえで欠かせない大切な検査であり、他の検査と組み合わせることで、より確かな診断につながります。


先天異常児(奇形児)について、特に知りたいことは何ですか?
利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえ、もっとも当てはまる項目を選択してください。
(参考文献)
Buijtendijk MF, et al. Diagnostic accuracy of ultrasound screening for fetal structural abnormalities during the first and second trimester of pregnancy in low-risk and unselected populations. Cochrane Database Syst Rev. 2024, 5, CD014715.
中田雅彦ほか.“超音波による胎児形態の標準的評価法”.日本超音波医学会.https://www.jsum.or.jp/uploads_files/guideline/shindankijun/fetal_morphology.pdf,(参照 2025-10-15).
日本産科婦人科学会.“産婦人科診療ガイドライン―産科編2023”..https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2023.pdf,(参照 2025-10-15).
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
先天異常児(奇形児)
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
公開日:
最終更新日:
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです