先天異常児（奇形児）で薬が効かない場合、どうしたらよいですか？

「奇形児」という言葉は現在では使われず、正しくは「先天異常児」と呼びます。先天異常は、薬で根本的に治る病気ではありません。薬が効かない場合でも、他の治療法や支援を組み合わせることで生活の質を改善することが可能です。重要なのは、異常の種類に応じた適切な専門医療を受けることです。

外科的治療

構造的な異常（例：心臓、消化管、四肢、口唇口蓋裂など）は、手術で形態や機能を修復することが治療の中心になります。

• 例：心奇形に対する小児心臓外科での修復術、口唇口蓋裂や四肢の形成異常に対する形成外科や整形外科での再建手術、消化管閉鎖や横隔膜ヘルニアに対する小児外科手術など

リハビリ・支援的治療

薬や手術で完全に改善しない場合も、理学療法・作業療法・言語療法などのリハビリで、成長や運動・言語・社会生活の発達を支援します。また、栄養・発達支援、感染予防、特別支援教育や社会的サポートを組み合わせることで、成長や生活の質を高めることができます。

チーム医療と長期フォロー

先天異常児のケアには、小児科、外科、リハビリ、心理士、遺伝カウンセラーなどの多職種チーム医療が欠かせません。成長に伴って症状が変化するため、長期的なフォローアップが必要です。

先天異常の治療は、手術・薬物・リハビリ・生活支援などを組み合わせ、個々の症状や臓器異常に応じた総合的ケアが中心となります。早期診断・早期介入・継続的なフォローアップは、多くの先天異常において予後改善の鍵となります。