先天異常児（奇形児）を専門とする病院はありますか？

「奇形児」という言葉は現在では使われず、正しくは「先天異常児」と呼びます。先天異常児の診療には、専門知識と高度な医療設備が必要であるため、一般的な小児科や産婦人科だけでなく、専門施設での診断・治療・支援を受けることが推奨されます。

【妊娠中の診療】

周産期センター、母体胎児専門外来などで、胎児の心臓・脳・四肢などの形態異常を精密超音波で評価し、必要に応じて遺伝カウンセリングや出生後の治療計画を立てます。

【出生後の診療】

小児専門病院や大学病院の小児科、新生児科が中心となり、心臓奇形、消化管閉鎖、口唇口蓋裂、四肢異常など、症状に応じて専門家（小児外科、形成外科、整形外科、小児循環器科、小児心臓外科など）と連携し、外科手術や長期管理を行います。また、染色体異常や代謝異常など、診断と家族への遺伝カウンセリングを提供します。
　
多くの専門施設では、医師だけでなく看護師、理学療法士、作業療法士、言語療法士、心理士、遺伝カウンセラーなどがチームとして対応し、長期的な成長や発達を支援します。また、地域の保健センターや福祉サービスと連携することで、家庭や学校生活も含めた総合的な支援が可能です。