先天異常児（奇形児）には初期症状はありますか？

「奇形児」という表現は現在では用いられず、正しくは「先天異常児」と言います。先天異常の初期症状は、どの臓器や器官の発達にどの程度異常があるかによって異なり、出生直後から明らかな場合もあれば、成長してから判明する場合もあります。また、妊娠中に母親に特定の初期症状が現れることはまれで、多くの場合、出生前スクリーニングや画像診断によって発見されます。

1. 出生直後に気づかれることが多い症状

• 顔や四肢など外表の異常（口唇裂、四肢の変形など）
• 呼吸困難、チアノーゼ（唇や爪が紫色になる）
• 哺乳不良、嘔吐、腹部膨満などの消化器症状

2. 成長とともに現れる症状

• 運動発達や言葉の遅れ
• 頻回の感染症や疲れやすさ
• 聴覚・視覚障害、学習の遅れ

つまり、「初期症状」は疾患の種類により大きく異なり、すべての先天異常に共通した兆候はありません。出生後の新生児スクリーニングや定期健診での早期発見が重要です。

先天異常のほとんどは、妊娠初期（妊娠1～12週）の重要な臓器発達期に発生しますが、母親が感じたり、医学的検査なしで観察できるような特定の前兆症状は現れません。早期発見と管理には、定期的な妊婦健診が不可欠です。