慢性骨髄性白血病の観察項目を教えてください。
慢性骨髄性白血病の観察項目は血液検査および身体所見、染色体検査、遺伝子レベルモニタリングです。
慢性骨髄性白血病(CML)の観察項目を以下に示します。これらの観察項目は、病状の進行や治療効果を評価するために重要です。
1. 血液検査および身体所見
白血球数、血小板数の正常化、血液中に幼弱な細胞を認めないこと、脾腫がないことにより「血液学的奏効」を評価します。
2. 染色体検査
骨髄細胞中のフィラデルフィア染色体(BCR::ABL1)の陽性率により「細胞遺伝学的完全奏効(CCyR)」を評価します。
3. RT-PCR法による遺伝子レベルモニタリング
血液細胞中のBCR::ABL1遺伝子発現量により「分子遺伝学的大奏効(MR)」を評価します。
CMLでは、治療効果そのものが予後予測のための指標であるとされます。長期予後改善のためには、少なくとも骨髄細胞中のフィラデルフィア(Ph)染色体(BCR::ABL1)陽性率0%である「細胞遺伝学的完全奏効(CCyR)」を達成する必要があります。
さらにCCyR後の悪化リスクを最小限にするためには、RT-PCR法によるBCR::ABL1遺伝子レベル 0.1%以下である「分子遺伝学的大奏効(MMR)」達成を目指すべきとされます。
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
国立研究開発法人国立がん研究センター.“慢性骨髄性白血病”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/CML/index.html,(参照 2024-11-22).
日本臨床腫瘍学会. 新臨床腫瘍学第7版. 南江堂. 2024
一般社団法人 日本血液学会.ホーム|造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.日本血液学会,http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#soron(参照 2024-11-22)
川口T.慢性骨髄性白血病 | 症状、診断・治療方針まで.今日の臨床サポート,https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=327(参照 2024-11-22)
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「慢性骨髄性白血病」とはどのような病気ですか?
血球を産生する造血幹細胞に異常が起こる血液のがんのひとつで、白血球や血小板が異常に増える病気です。
慢性骨髄性白血病の原因は何がありますか?
造血幹細胞にフィラデルフィア染色体という染色体異常が生じ、血液細胞ががん化することが原因です。
慢性骨髄性白血病ではどのような症状がありますか?
疲れやすさ、体重減少、発熱が一般的です。進行すると脾臓の腫れによる左上腹部の違和感、感染症のリスク増加、貧血による息切れや動悸、頭痛、目のかすみ、手足のしびれが現れます。
慢性骨髄性白血病には初期症状はありますか?
初期には症状が乏しいことが多いです。疲れやすさ、体重減少、発熱がみられることがあります。
慢性骨髄性白血病の場合、主にどのような治療をしますか?
チロシンキナーゼ阻害剤という薬を主に使用します。造血細胞移植を行う場合もあります。
慢性骨髄性白血病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
内科(血液内科)を受診してください。
慢性骨髄性白血病のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
慢性骨髄性白血病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
チロシンキナーゼ阻害薬が主に使用され、代表的な薬はイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブです。副作用には胃腸の不調、疲労感、皮膚の異常、むくみ、筋肉や関節の痛みがあります。
慢性骨髄性白血病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
治療選択肢には別のTKI(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ポナチニブ)、アシミニブ、造血細胞移植、化学療法があります。
慢性骨髄性白血病の場合、日常生活で気を付けることはありますか?
薬の服用、副作用の管理、定期検査、感染予防、健康的な生活習慣が重要です。
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