乳糖不耐症はセルフチェックできる?乳糖不耐症
監修医師吉岡 藍子消化器内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2022/02/15
乳糖不耐症とは
牛乳や乳製品に含まれる乳糖を消化する酵素が十分に分泌されないため、上手く消化できなくなっている状態のことです。現れやすい症状としては、小児では下痢と体重増加の遅れなどが、成人では、お腹の張りや下痢、腹痛などがあります。
乳糖不耐症の「乳糖」とはなんですか?
乳糖は、牛乳や乳製品などに含まれている糖の一種で、「ラクトース」とも呼ばれます。
乳糖は、牛乳や乳製品などに含まれている糖の一種で、「ラクトース」とも呼ばれます。
私たちの体は、小腸で「ラクターゼ」という消化酵素を出して、この乳糖をブドウ糖(グルコース)とガラクトースという2つの成分に分解します。
乳糖不耐症の人では、このラクターゼという酵素の働きが弱かったり、量が少なかったりします。
これにより乳糖をうまく分解できず、大腸で十分に吸収できず、下痢や腹痛などのお腹の不調が起こります。
「乳糖不耐症」とはどのような病気ですか?
乳糖不耐症は乳糖分解酵素不足により、下痢や腹痛を起こす病気で、乳糖除去や酵素補充で対処します。
乳糖不耐症とは、ミルクに含まれる糖質である乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)の活性が低下し、乳糖を消化・吸収できないために、牛乳を摂取したあとに、下痢や体重増加不良を引き起こす病気です。
乳糖不耐症は先天性、新生児性、二次性、成人発症型など、いくつかの種類に分類されており、大人になってから牛乳を飲むとお腹を壊す、という方は成人発症型のラクターゼ欠乏です。
そのような方では、冷たい牛乳を一度にたくさん飲むことは避けたほうがよいでしょう。
乳児や新生児で起こる場合には、哺乳後数時間から数日以内に激しい下痢の症状が起こります。 症状の程度は、持っているラクターゼ活性の量によって異なります。 ときには、反復性のけいれん性腹痛を伴うこともあります。
乳糖の摂取を中止すると、これらの症状は数時間から1日程度で治まります。
乳糖不耐症の症状
乳糖不耐症には初期症状はありますか?
乳糖不耐症の初期症状は、水様性下痢、腹部膨満感、腹鳴、けいれん性腹痛などがあります。
乳糖不耐症の初期症状としては、乳糖を含む食品の摂取後、数時間から数日以内に発生する下痢が挙げられます。
この症状は、ラクターゼが不足しているために牛乳などに含まれる乳糖をうまく分解できず、栄養の吸収がうまくいかなかった結果として起こります。
また、腸内細菌による乳糖の発酵により、腹部の膨満感や腹鳴(お腹が鳴る音)が生じることもあります。
さらに、反復性のけいれん性腹痛を伴う場合もあります。
これらの症状は、乳糖の摂取を中止することで、通常、数時間から1日程度で改善します。
乳糖不耐症ではどのような症状がありますか?
乳糖不耐症の症状は、水様性下痢、腹部膨満感、腹鳴、けいれん性腹痛などがあります。
乳糖不耐症の主な症状は、乳糖を含む食品の摂取後に数時間から数日以内に発生する下痢です。
この症状は、ラクターゼが不足しているために、牛乳などに含まれる乳糖をうまく分解できず、栄養の吸収がうまくいかなかった結果として起こります。
また、腸内細菌による乳糖の発酵により、腹部の膨満感や腹鳴(お腹が鳴る音)が生じることもあります。
さらに、反復性のけいれん性腹痛を伴う場合もあります。
これらの症状は、乳糖の摂取を中止することで、通常、数時間から1日程度で改善します。
乳糖不耐症の原因
乳糖不耐症の原因は何がありますか?
乳糖不耐症の原因は、先天的な遺伝子変異や小腸粘膜の損傷などがあります。
乳糖不耐症の主な原因は、ラクターゼと呼ばれる、乳糖を分解する酵素の活性が低下することです。
この活性の低下には、いくつかのタイプがあります。 先天性乳糖不耐症は、生まれつきラクターゼがうまく働かず、乳糖を適切に分解・吸収できなくなります。
一方、二次性のラクターゼ活性低下は、感染性腸炎などで小腸粘膜が荒れてしまうことが原因で発生します。
この変化は一時的なものであるため、時間が経過すれば、ラクターゼ活性は通常、生理的なレベルまで回復します。
また、成人発症型のラクターゼ欠乏もあり、このタイプでは子供のころは問題ありませんが、大人になってからラクターゼの活性が低下し、冷たい牛乳をたくさん飲んだあとなどに、お腹を壊しやすくなります。
乳糖不耐症の検査・診断
乳糖不耐症のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
乳糖不耐症の主な症状は、乳糖を含む食品の摂取後に数時間から数日以内に発生する下痢です。
また、腸内細菌による乳糖の発酵により、腹部の膨満感や腹鳴(お腹が鳴る音)が生じることもあります。
さらに、反復性のけいれん性腹痛を伴う場合もあります。 これらの症状がある場合は乳糖不耐症の可能性があります。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、乳糖不耐症かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
乳糖不耐症の治療・対処法
乳糖不耐症への対処法は?
空腹時に牛乳を飲まないようにする、あるいは大量に一気に摂取しない、といった対策で症状が抑えられることがあります。また、牛乳では症状が出てしまう方でも、チーズやヨーグルトであれば摂取が出来ることがあります。
乳糖不耐症の場合、主にどのような治療をしますか?
乳糖不耐症の治療は乳糖除去が基本で、酵素補充や無乳糖ミルクの使用が有効です。
乳糖不耐症の主な治療法は、乳糖を含む食品や乳製品の摂取を避けることです。
新生児や乳児の場合、母乳や通常のミルクの代わりに無乳糖ミルクに切り替えることが推奨されます。 離乳期以降も、乳糖や乳製品の摂取を控える必要があります。
成人発症の患者さんの場合には、牛乳の摂取方法に気をつけてもらいます。数回に分けて飲む、温めて飲む、乳製品として摂取するなどの点に注意が必要です。
また、牛乳の摂取量を少しずつ増やすことで、徐々に症状がよくなることも報告されています。
参考文献
日本小児栄養消化器肝臓学会.乳糖不耐症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/12_01_001/(参照 2025-02-26)
難治性下痢症診断の手引き.Ⅰ 難治性下痢症診断アルゴリズムの解説 | 難治性下痢症診断の手引き.https://www.jspghan.org/idi/index.html(参照 2025-02-26)
厚生労働省好酸球性消化管疾患研究班ほか.“新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症 6 Minds 準拠診療ガイドライン(実用版)”.日本小児栄養消化器肝臓学会.https://www.jspghan.org/images/non_ige_gifa_guideline20180303.pdf,(参照 2025-02-26).
受診の目安・何科を受診するべきか
乳糖不耐症の専門医がいる近くの病院はありますか?
乳糖不耐症の専門医がいる病院を見る乳糖不耐症の薬
乳糖不耐症に整腸剤は効果がありますか?
症状の緩和に有効な場合があります。
整腸剤は、乳糖不耐症によって引き起こされる下痢やお腹の張りといった症状を和らげるのに役立つ場合があります。
整腸剤には、腸内細菌のバランスを整えたり、腸の動きを調整したりする働きがあるため、消化不良による不快な症状を軽減する効果が期待できます。
しかし、整腸剤は乳糖そのものを分解するわけではないため、乳糖不耐症の根本的な原因、つまりラクターゼ酵素の活性不足を解消するものではありません。
具体的な治療方針については主治医とよく相談することをお勧めします。
乳糖不耐症の予防
乳糖不耐症を予防する方法はありますか?
2次性の乳糖不耐症の場合は、予防することができます。
乳糖不耐症の原因には、先天的に消化酵素の活性が低下している場合と二次的に消化酵素の活性が低下してしまう場合があります。
後者については、胃腸炎などが原因となるため、まずはこれらの病気にかからないように手洗いなどを日常的にしっかりと行うことが予防につながります。
しかし、先天的に消化酵素が低下している場合は、消化酵素に関わる遺伝子の異常が原因となるため、現段階では乳糖不耐症を予防する方法は残念ながらありません。
対処法・セルフケア
乳糖不耐症の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
乳糖を含む製品の摂取制限、無乳糖ミルクの利用、酵素製剤の活用が重要です。
乳糖不耐症の方は、乳糖を含む食品を口にすると下痢や腹痛といった症状が現れる可能性があります。
日常生活で気をつけるべき点として、主に以下のような事項が挙げられます。
- 乳糖を含む食品の摂取制限:
乳糖を含む食品や乳製品の摂取を避けることが基本的な対策です。
また、摂取するとしても、数回に分けて飲む、温めてゆっくり飲む、乳製品などで摂取するといった対策が有効です。
- 乳糖除去食品の利用:
新生児や乳児の場合、母乳や通常のミルクの代わりに無乳糖ミルクを使用することが推奨されます。
乳糖不耐症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
乳糖の除去を検討するのがよいでしょう。
乳糖不耐症の治療においては、乳糖を含む食品の除去が第一に行われます。
海外では、β-ガラクトシダーゼ製剤と呼ばれる飲み薬治療を行うこともあります。
飲み薬が効果を示さない場合、以下の対策が考えられます。
- 乳糖の徹底的な除去:
乳糖を含む食品や乳製品の摂取を完全に避けることが基本です。新生児や乳児の場合、母乳や通常のミルクの代わりに無乳糖ミルクへの切り替えが推奨されます。
- 高活性酵素製剤の使用:
米国などで販売されている高活性の酵素製剤を、乳製品の摂取前に服用することで、症状の発現を抑制できる可能性があります。
これらの製剤は個人輸入が可能ですが、使用にあたっては医師に相談することが望ましいです。
適切な食事管理や酵素製剤の併用により、日常生活への支障は少なく、生命予後も良好とされています。
乳糖不耐症に関連するその他の質問
乳糖不耐症の場合、生クリームは食べられますか?
乳糖不耐症の人が生クリームを食べると、腹痛や下痢などの症状が出ることがあります。
生クリームは牛乳から作られており、乳糖が含まれています。脂肪分が多いのが特徴ですが、乳糖もゼロではありません。
そのため、乳糖不耐症の人が生クリームを食べると、腹痛や下痢などの症状が出ることがあります。
どのくらいの量で症状が出るかは、その人の乳糖を分解する能力の程度によって大きく異なります。
ケーキの飾りなどで少量使われている程度なら大丈夫な人もいますが、生クリームをたっぷり使った料理やデザートをたくさん食べると、症状が出やすくなる可能性があります。
ヨーグルトを食べ過ぎると下痢になる場合、乳糖不耐症ですか?
ヨーグルトを食べ過ぎて下痢になる場合、乳糖不耐症の可能性も考えられます。
ヨーグルトを食べ過ぎて下痢になる場合、乳糖不耐症の可能性も考えられます。
ヨーグルトには乳糖が含まれていますが、乳酸菌の働きで一部が分解されているため、牛乳よりは症状が出にくいと言われています。
しかし、一度にたくさん食べすぎると、分解しきれない乳糖によって下痢を起こすことがあります。
ただし、原因は乳糖不耐症だけとは限りません。冷たいものを一度にたくさん食べた刺激や、ヨーグルトに含まれる他の成分が原因となることもあります。
乳糖不耐症で牛乳が飲めない場合、給食の対応方法を教えてください。
まずは正直に学校へ相談することが大切です。
学校給食で牛乳が飲めない場合、まずは正直に学校へ相談することが大切です。
担任の先生や、給食を担当している栄養士さん、保健室の先生に、乳糖不耐症であることを伝えましょう。
可能であれば、医師の診断書があると、学校側も状況を理解しやすくなります。
相談の上で、牛乳の提供を止めてもらう、代わりに水やお茶を用意してもらう、あるいは家庭から乳糖を含まない飲み物を持参する許可を得る、といった対応が考えられます。
学校によって対応方針は異なりますので、早めに具体的に相談し、無理なく給食の時間を過ごせる方法を見つけることが重要です。
乳糖不耐症の場合、アーモンドミルクは飲めますか?
基本的にはアーモンドミルクは飲むことができますが、飲む際は少量から摂取し、問題ないことを確認してください。
乳糖不耐症の場合、基本的にはアーモンドミルクは問題なく飲むことができます。
アーモンドミルクは、牛乳とは異なり、乳糖を含んでいません。
そのため、乳糖を消化する酵素が少ない乳糖不耐症の方が飲んでも、お腹がゴロゴロしたり、下痢になったりする心配は基本的にありません。
しかし、その他の原因がある場合は下痢などの消化器症状が出ることがあるので、注意が必要です。
また、ナッツアレルギーがある場合は摂取を控えてください。
参考文献
I C Antunes et al.“Carbohydrate composition of cow milk and plant-based milk alternatives”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39369888/,(参照 2025-05-01).
Benjamin Misselwitz et al.“Update on lactose malabsorption and intolerance: pathogenesis, diagnosis and clinical management”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31427404/,(参照 2025-05-01).
乳糖不耐症の場合、チーズで吐き気や下痢は起こりますか?
乳糖不耐症では、チーズでも吐き気や下痢などのお腹の症状が出ることがあります。
乳糖不耐症では、チーズでも吐き気や下痢などのお腹の症状が出ることがあります。
ただし、チーズは種類や製造過程の発酵や熟成によっては、原料の牛乳に含まれていた乳糖の多くが分解されるため、他の乳製品と比べると乳糖の量が少ない場合があります。
しかし、どの程度の量で症状が出るかは個人差が大きいです。そのため、具体的にどのような食事だと症状が出ないかなどについては、主治医とよく相談するようにしてください。
乳糖不耐症の場合、食べられないものはなんですか?
乳糖不耐症の人が注意すべきなのは、乳糖が多く含まれている食品です。
乳糖不耐症の人が注意すべきなのは、乳糖が多く含まれている食品です。
代表的なものは牛乳や、ヨーグルト、アイスクリーム、フレッシュタイプチーズ、バターなどです。また、パンやシリアルなどの中にも乳糖が使われていることがあります。
そのため、これらの食品を摂取する前に、食品表示などをしっかりと確認することが大切です。
人によってどの程度の乳糖で症状が出るかは異なるため、自分の体調をみながら、食べられるものと量を調整していく必要があります。
プロテインでお腹を壊すことはありますか?
プロテイン摂取後にお腹を壊すことは考えられます。
プロテイン摂取後にお腹を壊すことは考えられます。可能性のひとつとして乳糖不耐症があります。
乳糖不耐症の患者さんでは、牛乳などに含まれる乳糖を分解するラクターゼという酵素の活性が低く、乳糖をうまく分解することができません。
その結果、乳糖を含む食品を口にしたあとに、下痢や腹痛などの症状が起こります。
ホエイプロテインなど乳由来のプロテインには乳糖が含まれており、乳糖不耐症の方は乳糖をうまく消化できず、腹部膨満感や下痢を起こす可能性があります。
乳糖不耐症の方は、乳糖を含まないプロテインへの変更を検討してみてもよいかもしれません。
参考文献
齋藤 忠夫. 乳糖不耐について(その3) 乳糖不耐の特徴、診断方法および食品中の乳糖の低減・除去方法. 畜産技術. 2021, 2021, 29-34.
江崎グリコ.“牛乳やホエイプロテインを飲むとお腹がゴロゴロする理由を教えてください”..https://customer.glico.com/s/article/%E7%89%9B%E4%B9%B3%E3%82%84%E3%83%9B%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%92%E9%A3%B2%E3%82%80%E3%81%A8%E3%81%8A%E8%85%B9%E3%81%8C%E3%82%B4%E3%83%AD%E3%82%B4%E3%83%AD%E3%81%99%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1%E3%82%92%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84#:~:text=%E7%89%9B%E4%B9%B3%E3%82%84%E3%83%9B%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AB,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%92%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82,(参照 2025-02-26).
乳糖不耐症に有効なサプリメントはありますか?
自己判断でサプリメントを内服せず、まずは主治医によく相談することをお勧めします。
乳糖不耐症では、治療の補助として、乳糖を分解する酵素が含まれているβ-ガラクトシダーゼ製剤が使用されることがあります。
β-ガラクトシダーゼ製剤は、消化管内で牛乳などに含まれる乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解して乳糖不耐症などの消化器症状を改善する薬剤です。
海外ではこの製剤と似たサプリメントをドラッグストアやオンラインショップなどで購入でき、国内でも個人的に輸入などによって購入できる場合もありますが、効果には個人差があり、副作用もあるので、使用前には必ず医師に相談することをおすすめします。
赤ちゃんが乳糖不耐症の場合、うんちの色はどうなりますか?
赤ちゃんが乳糖不耐症の場合、直接うんちの色が大きく変わることは少ないです。
赤ちゃんの場合も、乳糖不耐症が直接うんちの色を大きく変えることは少ないです。
しかし、消化不良によって下痢を起こすと、大人と同じように便の色が薄くなったり、黄色っぽくなったり、緑色が強くなったりすることがあります。
また、水っぽく、酸っぱい匂いがする便が出ることも特徴のひとつです。おむつかぶれがひどくなることもあります。
ただし、赤ちゃんのうんちの色や状態は、飲んでいるミルクの種類や離乳食の内容によっても変化しやすいので、心配な場合は小児科医に相談しましょう。
大人になって急に乳糖不耐症になることはありますか?
成人発症性のラクターゼ欠乏や二次性ラクターゼ欠乏では、大人になってから乳糖不耐症になります。
大人になってから乳糖不耐症になることはあります。
乳糖不耐症とは、食品に含まれる乳糖を分解する、ラクターゼという酵素の活性が低いことで、乳糖を分解することができずに下痢や腹痛といった症状を引き起こす病気です。
成人発症性のラクターゼ欠乏では、子供のころはラクターゼ活性が高く、乳糖を含む食品を口にしても問題ありませんが、加齢に伴って活性が低下し、乳糖不耐症となります。
また、二次性のラクターゼ欠乏では、感染性腸炎など腸の病気により、一時的にラクターゼ活性が低下することがあります。
この低下は一時的なもので、通常、腸炎が治癒すればラクターゼ活性は以前のレベルに回復し、乳糖不耐症の症状も改善します。
したがって、成人になってから急に乳糖不耐症の症状が現れることはありえます。
症状が続く場合や重篤な場合は、医療機関での相談をおすすめします。
参考文献
日本小児栄養消化器肝臓学会.乳糖不耐症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/12_01_001/(参照 2025-02-26)
難治性下痢症診断の手引き.Ⅰ 難治性下痢症診断アルゴリズムの解説 | 難治性下痢症診断の手引き.https://www.jspghan.org/idi/index.html(参照 2025-02-26)
厚生労働省好酸球性消化管疾患研究班ほか.“新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症 6 Minds 準拠診療ガイドライン(実用版)”.日本小児栄養消化器肝臓学会.https://www.jspghan.org/images/non_ige_gifa_guideline20180303.pdf,(参照 2025-02-26).
大人になってから牛乳で下痢しますが、なぜですか?
大人になってから牛乳で下痢する原因には、乳糖不耐症や牛乳アレルギーがあります。
成人が牛乳を飲んだあとに下痢をする原因として、乳糖不耐症の可能性があります。
乳糖不耐症は、小腸で乳糖を分解する酵素であるラクターゼの欠乏により、乳糖が消化・吸収されず、大腸で細菌によって発酵されることで、ガスや酸が生成され、腹部膨満感や下痢、腹痛などの症状を引き起こします。
成人発症型のラクターゼ欠乏では、子供のころはラクターゼが十分に産生されているため、乳糖を含む食品を口にしても問題ありませんが、大人になってからラクターゼの活性が低下することで、下痢などの症状が起こるようになります。
一方、牛乳アレルギーも牛乳摂取後に下痢や腹痛を引き起こすことがありますが、これは牛乳中のタンパク質に対する免疫反応が原因であり、乳糖不耐症とは異なります。
対策としては、乳糖を含む食品の摂取を控えることが基本です。
また、複数回に分けて飲む、温めて飲むなど、摂取方法を工夫することで、症状の軽減が期待できます。
参考文献
野村邦浩.「乳糖不耐症」と「牛乳アレルギー」.一般社団法人長野県医師会公式サイト,https://www.nagano.med.or.jp/general/project/topics/detail.php?id=355(参照 2025-02-26)
Atenodoro R. Ruiz, Jr.,.“乳糖不耐症”.MSD Manual.https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/03-消化器系の病気/吸収不良/乳糖不耐症,(参照 2025-02-26).
齋藤 忠夫. 乳糖不耐について(その3) 乳糖不耐の特徴、診断方法および食品中の乳糖の低減・除去方法. 畜産技術. 2021, 2021, 29-34.
乳糖不耐症について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「乳糖不耐症」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- ラクトレス、ノンラクト、無乳糖ミルクなどを飲ませると下痢や軟便が改善しますか?
- お腹の痛みがありますか?
- 便がゆるいか、あるいは下痢をしていますか?
- お腹にガスがたまったり、張った感じがしていますか?
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この記事の監修医師
吉岡 藍子
消化器内科・内科
消化器内科医の吉岡藍子と申します。 これまで大学病院や市中病院、健診センターでの内視鏡業務などを通して、消化器領域を幅広く経験してまいりました。 診療の現場では、専門的な用語や複雑な病状の説明に、患者様が戸惑いや不安を感じる場面に何度も出会いました。医療機関で提供される膨大な情報を前に、混乱されてしまう方も少なくありません。そこで、ご自身の病気や体、そして健康について、一人でも多くの方が正しく理解できる環境を作りたいという想いから、ユビーの活動に参加させていただいております。皆様が正しい医学知識に普段から触れ、安心してご自身の健康と向き合えるよう、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 【経歴】 新潟大学医学部卒。 新潟県内外の市中病院、大学病院で勤務。 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野にて博士取得。 2022年からユビーに入社し、横浜市で健診内視鏡診療を兼務。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2022/02/15