小児喘息(重症)は治りますか?
成人期までに症状がほとんどなくなる「寛解(かんかい)」状態になるお子さんは多くいます。
「治る」という言葉の定義は難しいですが、小児喘息の長期的な追跡研究では、「寛解」という形で症状がなくなることや、治療が必要なくなる状態になるお子さんが多数いることが示されています。
いくつかの研究の報告は以下の通りです。
メルボルン喘息研究
7歳で調査を開始したお子さんのうち、50歳の時点では、軽度の喘鳴(ゼーゼー音)があったお子さんの64%が、また喘息と診断されたお子さんの47%が症状のない寛解状態になっていました。
タスマニア長期健康研究
7歳から追跡されたお子さんでは、46歳時点で65%が喘息の症状が落ち着いた寛解状態にありました。
ダニーデン縦断健康発達研究
3歳から追跡された中で、26歳までに喘息が寛解したお子さんは27.4%でした。
CAMP研究
5〜12歳の喘息のお子さんを対象とした研究では、成人期までに26.0%が「臨床的寛解」(症状がほとんどない状態)に、15.0%が「厳密な寛解」(症状がなく、肺の機能もほぼ正常な状態)に達していました。
これらの情報から、すべてのお子さんが完全に「治癒」するというよりは、年齢とともに症状が落ち着き、薬を使わずに安定した生活を送れるようになる「寛解」の状態に至る可能性が高いと言えます。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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