小児喘息(重症)の吸入薬はどのように使えば良いですか?
お子さんの年齢や状態に合った吸入器と正しい方法で、指示された量を定期的に使用することが大切です。
小児喘息の吸入薬を効果的に使用するためには、以下のポイントが重要です。
適切な吸入器の選択と使用方法
- 吸入薬が肺にきちんと届くかどうかは、薬の種類、吸入器の性能、吸入補助具(スペーサー)の使用の有無、そして吸入の手技によって大きく左右されます。
- 乳児(0~4歳未満)では、ドライパウダー吸入器(DPI)を使うのは難しいため、ジェットネブライザーで薬液を吸入する、または加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)にフェイスマスク付きの吸入補助具(スペーサー)を接続して使用することが推奨されています。
- 気管切開をしている子どもや人工呼吸管理中の子どもでは、チューブに接続できる特殊なスペーサー(例:ACE™)を使うこともあります。
- スペーサーは、吸入薬を肺に効率よく届けるために役立つ道具で、「エアロチャンバープラス」や「オプティチャンバー・ダイヤモンド」など、さまざまな種類があります。
用量の調整
- 吸入ステロイド薬(ICS)の用量は、年齢による明確なエビデンスはありませんが、乳児では特に「有効な最小量」で維持することが勧められています。
- 漫然と高用量のICSを使い続けるのではなく、症状が安定したら薬を減らす(ステップダウン)ことを検討します。
副作用への配慮
- 吸入ステロイド薬は、特に低年齢・低体重の子どもでは、身長の伸びに一時的に影響を与える可能性が報告されています。しかし、これは薬を使わない方がよいという意味ではなく、「効果とリスクのバランス(Benefit/Risk ratio)」を考慮し、必要最小限の量で適切に使用することが重要です。吸入薬は正しく使うことで最大の効果を発揮します。医師や薬剤師、看護師から、お子さんに合った吸入器の選び方や正しい使い方について、具体的に指導を受け、不安な点は遠慮なく確認するようにしましょう。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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