「ニューモシスチス肺炎（PCP）」とはどのような病気ですか？

「ニューモシスチス肺炎」は、免疫機能が低下した人が発症する日和見感染症です。
日和見感染症とは、免疫に問題がない人であれば自分の力で抑えられ発症しないはずの感染症のことです。この感染症の病原体は、ニューモシスチス・イロベチイという真菌（カビ）です。

発症リスクが高い例として、HIV感染者、先天的免疫不全のある人や、臓器移植、リンパ腫や白血病などの血液がん、膠原病などのために免疫を弱くする薬を使用している人が挙げられます。
ほとんどが肺炎として発症し、典型的な症状は発熱・息苦しさ・乾いた咳の3つです。まれに、リンパ節や骨髄、耳、目、甲状腺、副腎、肝臓、脾臓などに病変が現れる場合があります。

肺炎は重篤で致死率が高いため、的確で迅速な診断と治療が必要です。
治療には主に抗生物質（飲み薬もしくは点滴）を使用します。呼吸の状態が悪い場合はステロイド剤を併用することが推奨されています。