大人の咳喘息の症状は?咳喘息・気管支喘息と症状の関連性をAIで無料でチェック
監修医師折茂 圭介呼吸器内科
- 更新日
- 2026/10/28
- 公開日
- 2020/09/03
咳喘息と診断された人の受診データ(最初に気になった症状・診療科)
最初に気になった症状
受診した診療科
受診して「咳喘息」と診断されたと回答した人が、症状チェックを始めたときに最も気になる症状として選んだものと、受診した診療科のデータ(自己申告、2021年1月〜2026年9月)です。医師による記録ではなく、世の中全体の割合でもありません。
※%は回答した人に占める割合です。
※回答が1,000人以上ある症状・病名のデータに限って掲載しています。
ユビーで症状チェックしたあと、受診して「咳喘息」と診断されたと回答した人(自己申告)が、最も気になる症状として選んでいたのは、咳嗽(34%)、発作性咳嗽(18%)、乾性咳嗽(8%)などでした。
受診した診療科は、内科(42%)、呼吸器内科(39%)、耳鼻咽喉科(10%)の順でした。
ユビーなら無料で、症状に関連のある病気や診療科をチェックできます
気管支喘息
「気管支喘息」とは、気管や気管支に慢性的な炎症があり、発作的な喘鳴(ぜんめい)や息苦しさを繰り返す病気で、アレルギー体質のほか、喫煙、大気汚染、肥満、遺伝的要因など、さまざまな要因が複合的に関わって発症します。喘鳴や息苦しさを感じた場合や、咳が長引く場合は呼吸器内科、アレルギー科などを受診しましょう。
気管支喘息
咳喘息とは
長引く咳の原因として頻度の高い病気です。ゼーゼー、ヒューヒューはしないものの、気管支を広げる薬が有効である、喘息の亜型です。
「咳喘息」とはどのような病気ですか?
ゼイゼイとした喘鳴や呼吸困難を伴わない、咳だけの喘息のことです。寒暖差や会話、喫煙により悪化します。
「咳喘息」とは、咳だけを症状とする喘息の一形態です。
一般的な喘息と異なり、咳喘息では喘鳴(呼吸時のゼーゼー、ヒューヒューという音)や呼吸困難が症状として現れることはなく、代わりに慢性的な咳が主な症状となります。この咳は特に夜間や早朝に悪化する傾向があります。
日本では8週間以上続く慢性の咳の原因として、最も頻度が高い病気です。経過中、30〜40%の方に喘鳴が出現して気管支喘息に移行するため、適切な治療を受けることが重要です。
咳喘息の症状
咳喘息には初期症状はありますか?
夜間や早朝に、乾いた咳が発作的に出ることが数週間続きます。
「夜間や早朝に乾いた咳が発作的に出る状況が数週間続く」というものが、典型的な初期症状となります。
初めのうちは毎日症状が出るわけではなく、日常生活や睡眠への妨げになることも少ないですが、進行すると頻度が増えます。
また、風邪をひいた後に残る咳や、刺激物や冷たい空気、喫煙、運動や会話で引き起こされる咳が続くことでも気づかれます。
なお、咳喘息は咳止めだけでは効果が乏しいため、長引く咳が数週間続く場合には、咳喘息の可能性も念頭におく必要があります。
咳喘息ではどのような症状がありますか?
長引く咳、寒暖差や就寝前・朝に咳が出る、風邪を引くと咳が残る、会話や喫煙で咳が出る、などがあります。
数週間続く咳が主な症状です。就寝時、深夜や早朝に悪化しやすいですが、昼間にのみ咳が出る患者さんもいます。
痰は出ないことが多いですが、痰が絡んだ咳が出る場合もあります。なお、通常の喘息で見られるような、喘鳴(呼吸時のゼーゼー、ヒューヒューという音)や息苦しさは見られません。
刺激物、冷たい空気や運動、喫煙などに反応して気道の筋肉が収縮して狭くなると、咳が引き起こされます。
ただし、咳を引き起こす病気は多数あるため、症状だけで咳喘息と診断することはできず、病歴や検査結果から総合的に判断します。
咳喘息の原因
咳喘息の原因は何がありますか?
体質や環境などのさまざまな原因が複合し、咳喘息を発症すると考えられています。
咳喘息の原因は基本的には通常の喘息と共通しており、体質や環境などさまざまな原因が複合して発症すると考えられています。
アレルギー
アレルギーによって、気道に慢性的な炎症が起こると咳が生じます。アレルギーによる場合には、その原因となるアレルゲンを遠ざけることで症状が改善することもあります。
環境因子
- 刺激物
- 冷たい空気
- 運動
- 喫煙
などに反応して気道の筋肉が収縮して狭くなると、咳が引き起こされます。雨天や湿度の上昇、花粉や黄砂の飛散などで悪化する方もいます。
風邪が原因で咳喘息になったり、咳喘息が悪化したりすることはありますか?
風邪が原因で咳喘息になったり、既存の咳喘息が悪化したりすることがあります。
風邪が原因で咳喘息になったり、既存の咳喘息が悪化したりすることはあります。
風邪は、咳喘息を引き起こす一因として知られており、冷気や喫煙、湿度の上昇などとともに、悪化因子としても挙げられています。
特に上気道炎による気道の炎症や過敏性の亢進が、咳嗽(がいそう)の引き金になることがあります。
このため、風邪をきっかけに咳が長引く場合は、早めに医療機関を受診し、咳喘息の可能性を考慮した診断と治療を受けることが推奨されます。
また、咳喘息が悪化しやすい要因としては、風邪に加えて、女性であること、冷気、運動、喫煙、雨天や高湿度、花粉、黄砂などが挙げられます。
気になる症状が続く場合は、早めに医師に相談してください。
咳喘息の検査・診断
咳喘息のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
完全な診断は医師による専門的な評価が必要ですが、以下のような点に注意して、自分の状態をチェックすることができます。
咳の特徴
咳の期間
咳が長期間(通常は8週間以上)続いているかどうか。
咳のタイミング
特に夜間や早朝に咳が悪化するかどうか。
咳の性質
乾いた咳、痰を伴う湿った咳かどうか。
咳を引き起こすきっかけ
環境因子
- 冷たい空気、タバコの煙、花粉など、特定の環境因子にさらされた後に、咳が悪化するかどうか。
- 呼吸器感染症(風邪やインフルエンザなど)の後に、咳が持続しているかどうか。
アレルギーの既往歴
アレルギーの既往歴があるかどうか。
また、症状検索エンジン「ユビー」も質問に答えるだけでセルフチェックができますので、ご活用ください。
咳喘息の場合、CT検査をすることはありますか?
CT検査をする可能性はあります。
咳喘息の場合、必要と判断された場合は、CT検査を行うことがあります。
主な目的は、咳の原因となっている他の疾患の除外や合併症の評価です。たとえば、肺炎や気管支拡張症、間質性肺疾患、肺がんなどが疑われる場合や、胸部X線検査は異常がはっきりしない時に、詳細な画像情報を得ることです。
咳喘息そのものの診断に、CTが必須というわけではありませんが、気管支壁の肥厚や気管支内腔の狭小化など、咳喘息の病態を反映した所見が観察されることもあります。
咳喘息の検査にかかる費用はどれくらいですか?
検査項目によるため、一概に言えません。
咳喘息の検査では、必要に応じて呼吸機能検査や血液検査、喀痰の検査などが行われます。どの項目を測定するのか、保険適用の有無などで変わってくるため一概に言えません。
咳喘息などの呼吸器疾患の診断や経過観察、治療効果の判定などのために行われる場合は保険適用です。負担の割合や測定項目によります。人間ドックや健康診断の一部として行われる場合は保険がきかないため、やや高額になる傾向があります。検査の前に、事前に確認しておくことをおすすめします。
咳喘息の場合、どのような検査を行いますか?
咳喘息では、呼吸機能に関する検査や気道の炎症に関わる検査が行われます。
咳喘息では、呼吸機能に関する検査や気道の炎症に関わる検査が行われます。主な検査には、以下のようなものがあります。
スパイロメトリー検査
1秒間にどれくらい息を吐き出せるか(FEV1)や全体の肺活量などを測定する、基本的な呼吸機能検査です。喘息のコントロール状態の評価にも必要となります。咳喘息の場合は、気道狭窄の程度は正常範囲~軽度の低値を示すとされています。
呼気中一酸化窒素(NO)濃度検査
気道の好酸球性炎症の程度を調べる検査です。喘息の診断や治療反応性の確認、他疾患との鑑別にも役立ちます。
血液検査
アレルギーの有無や症状悪化の原因となりうるアレルゲン、炎症反応の程度を調べます。
胸部X線、胸部CT検査
必要に応じて合併症や他の呼吸器疾患を除外するため、胸部CTや副鼻腔CTなども行われる可能性があります。
咳喘息で行う呼吸機能検査とはなんですか?
肺の容量や気道の狭さを調べるための検査です。
咳喘息で行う呼吸機能検査とは、肺の容量や気道の狭さを調べるための検査です。主に努力性肺活量(FVC)、1秒量(FEV1)、1秒率(FEV1%)といった項目を測定します。
努力性肺活量は、限界まで息を吸ったあとに、一気に早く吐き出して測定する肺活量です。1秒量は1秒間でどれくらいの息を吐き出しているか、1秒率は努力性肺活量に対する1秒量の割合です。喘息の診断や治療効果の確認には、1秒率が重要です。1秒率が70%未満だと「閉塞性換気障害」とされ、気道が狭くなっている状態であるとわかります。
また、気管支喘息に特徴的な気道過敏性(正常の人に比べて気道が狭くなりやすい状態)を検査するため、気道を収縮させる物質を吸入して、気道の反応を見る検査も行うことがあります。
参考文献
湯澤 基ほか. 呼吸機能検査の理解と臨床応用. 日内会誌. 2020, 109, 2496~2501.
日本呼吸器学会.“呼吸器Q&A Q27.肺機能検査とはどのような検査法ですか?”..https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q27.html,(参照 2025-09-24).
愛知県臨床検査標準化協議会.“愛知県臨床検査標準化ガイドライン「呼吸機能検査における標準手順書」第 2 版”.愛知県臨床検査技師会.https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf,(参照 2025-09-24).
咳喘息でアレルギー検査を行うことはありますか?
咳喘息でアレルギー検査を行うことはあります。
咳喘息でアレルギー検査を行うことはあります。必要に応じて咳喘息の血液検査が行われ、咳の原因を特定します。咳喘息はアレルギー性の気道の炎症と関わりがある疾患で、主に好酸球の数やIgE(免疫グロブリンE)など、体内の炎症状態や免疫反応のタイプを調べ、診断の参考とします。
アレルギー検査だけでは判断できませんが、他の検査項目と併せて総合的に評価し、診断の補助、適切な治療選択や予後の予測のほか、症状を悪化させるアレルゲン回避の指導にもつなげられます。
咳喘息の場合、呼気NO検査の数値はどうなりますか?
一般的に、呼気NOは正常よりも高値になります。
咳喘息では、一般的に呼気NOは正常(異常なしと判断される場合)よりも高値になります。これは喘息の患者さんの気道で好酸球性の炎症が起こると、NOの産生量が増えるためです。FeNOは喘息の診断や重症度評価、治療効果のモニタリングに利用されており、22ppb以上で喘息の可能性が高く、35ppb以上だと特に炎症が強い、つまり症状が強いことを示します。
検査は短時間で簡単に行え、喘息とCOPDの鑑別などにも有用ですが、喫煙や鼻炎の影響で数値が変わることもあるため、医師が症状と合わせて総合的に判断します。
咳喘息の重症度はセルフチェックできますか?
咳喘息の重症度をセルフチェックすることは可能です。
咳喘息の治療開始前の重症度は、症状の程度の差によって分類されます。
軽症と中等度以上、それぞれに特徴的な症状の出方を以下に示します。これらを参考にすることで、咳喘息の重症度をセルフチェックすることが可能です。
軽症
- 症状は毎日ではない
- 日常生活や睡眠への妨げは週1回未満
- 夜間症状は週1回未満
中等度以上
- 症状が毎日ある
- 日常生活や睡眠が週1回以上妨げられる
- 夜間症状は週1回以上
咳喘息は放置すると典型的な喘息へ移行するリスクもあるため、セルフチェックで異常がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
咳喘息の治療・対処法
咳喘息への対処法は?
咳喘息の患者さんの中には放置すると一般的な喘息に移行する方がいるので、一定期間継続して治療が必要な場合が多いです。
咳喘息は完治しますか?
完治は難しいですが、適切な治療で症状を改善し、日常生活における影響を最小限に抑えることが可能です。
咳喘息は慢性的な呼吸器疾患であり、多くの場合、完治は難しいとされています。
しかし、適切な治療と環境管理によって、症状を大幅に改善し、日常生活における影響を最小限に抑えることが可能です。また、診断時から吸入ステロイドを使用することで、典型的な気管支喘息への移行を防ぐことができます。
治療を中止すると再燃することも少なくありませんが、治療を開始して症状がなくなった後に、いつまで治療を続ければよいのかについて明確な基準はありません。一年以上無症状で経過している場合には吸入ステロイドを中止することもあります。
咳喘息は自然に治りますか?
経過中に30〜40%の方が気管支喘息に移行するため、治療せずに放置することはすすめられません。
適切な治療を受けなければ、経過中に30〜40%の方に喘鳴が出現して気管支喘息に移行するため、治療せずに放置することはすすめられません。
吸入ステロイドを中心とする治療により、咳はほとんどの方で速やかに改善しますが、治療を中止すると再燃することも少なくありません。
治療を開始して症状がなくなった後に、いつまで治療を続ければよいのかについて明確な基準はありませんが、一年以上無症状で経過している場合には吸入ステロイドを中止することもあります。
咳喘息の場合、主にどのような治療をしますか?
吸入ステロイドで治療を行います。補助的に気管支拡張薬や抗アレルギー薬を使用する場合もあります。
咳喘息の場合、以下のような治療を行います。
軽症の患者さん
症状が毎日ではない軽症の患者さんでは、吸入ステロイド薬のみで治療を行います。治療を開始して症状がなくなっても、毎日きちんと吸入を継続することが重要です。吸入薬をやめてしまうと、咳が再び悪化してしまう恐れがあります。
中等症以上の患者さん
症状が毎日続くような中等症以上の患者さんでは、吸入気管支拡張薬やアレルギーを抑える内服薬も併用します。吸入ステロイド薬の増量が有効な場合もあります。吸入ステロイド薬と吸入気管支拡張薬の両者が含まれた配合剤も使用できます。
受診の目安・何科を受診するべきか
咳喘息が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
受診する診療科は、呼吸器内科です。
咳喘息が疑われる場合、専門的な診断や治療を行うことができる「呼吸器内科」を受診することが最も適しています。まずは、日頃から通い慣れている身近な「かかりつけの医療機関」に相談し、必要に応じて呼吸器の専門医を紹介してもらうという流れも推奨されます。
咳喘息の主な特徴とは
咳喘息(せきぜんそく)は、一般的な気管支喘息でみられるような「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった特有の呼吸音(喘鳴)や、息苦しさを伴わないのが特徴です。痰がほとんど出ない乾いたコンコンという咳だけが慢性的に長く続く病気であり、気道(空気の通り道)が、さまざまな刺激に対して非常に過敏な状態になっています。そのため、ほんの少しの刺激がきっかけとなって、咳が誘発されやすくなっています。
受診を検討すべき症状の目安
以下のような症状がみられる場合は、咳喘息の可能性が考えられるため、自己判断で放置せず、医療機関への受診をご検討ください。
- 咳の症状が8週間以上という長期間にわたって続いている
- ドラッグストアなどで購入した市販の咳止め薬を使っても症状がよくならない
- 夜間から明け方の時間帯にかけて、咳が特に激しくなる
- 冷たい空気を吸い込んだ時や、会話、運動などをきっかけとして咳き込んでしまう
- 激しい咳が原因で夜も十分に眠れないなど、日常生活に支障をきたしている
診断の難しさと特有の診断アプローチ
咳喘息は、医師が聴診器で胸の音を聞いただけでは異常が見つかりにくく、通常の診察だけでは判断が難しいことが多い病気です。そのため、実際に気管支を広げる作用のある薬(気管支拡張薬)を使用し、それによって咳の症状が改善するかどうかを確認することで診断する手法がとられます。「薬を実際に試してみて、効果があれば咳喘息であるとわかる」という流れになるため、医師による適切な介入が不可欠です。
気管支喘息への移行リスクと早期治療の重要性
咳喘息は、本格的な「気管支喘息」の一歩手前の状態であると考えられています。適切な治療を行わずに放置してしまうと、気道の炎症がさらに長引き、約30%の方が数年以内に気管支喘息へと進行してしまうことが過去の研究で報告されています。
気管支喘息への悪化を未然に防ぐためには、吸入ステロイド薬(気道の炎症を抑える吸い込むタイプの薬)を用いた早期からの治療が非常に重要です。「ただの咳だろう」と軽く考えず、長引く咳にお悩みの場合は早めの受診を心がけてください。
咳喘息の専門医がいる近くの病院はありますか?
咳喘息の専門医がいる病院を見る咳喘息の薬
咳喘息の人が飲んではいけない薬はありますか?
咳喘息の人が注意すべき薬には、非ステロイド性抗炎症薬やβ遮断薬などがあります。
咳喘息の患者さんが注意すべき薬剤には、症状を悪化させる可能性があるものがいくつかあります。
特に以下の薬剤には注意が必要です。
1. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDsは、一部の咳喘息患者さんにおいて気道を狭くし、症状を悪化させることがあります。
これは「アスピリン喘息」と呼ばれる症状を引き起こす可能性があるためです。
2. β遮断薬
心疾患や高血圧の治療に用いられるβ遮断薬(プロプラノロールなど)は、気道を収縮させる可能性があるため、咳喘息の症状を悪化させるリスクがあります。
特に非選択的β遮断薬は注意が必要です。
3. その他
咳喘息患者さんは、アレルギーを引き起こしやすい薬剤や添加物にも注意が必要です。
また、造影剤の使用にも注意が必要です。
これらの薬剤を使用する必要がある場合は、必ず主治医と相談し、代替薬や適切な管理方法を検討することが重要です。
咳喘息は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
ステロイド吸入薬を使用します。口腔内に薬剤が残るとカンジダを起こすため、吸入後はうがいをしてください。
咳喘息の治療には主に以下の薬剤が用いられます。
しかし、これらの薬剤は効果的な治療オプションである一方で、副作用が発生する可能性もあります。
①吸入ステロイド
用途
気道の炎症を抑え、咳を含む喘息の症状をコントロールします。
副作用
などがあります。吸入後にうがいをすることが重要です。
②吸入気管支拡張薬
用途
気道の筋肉をリラックスさせて気道を広げます。
副作用
- 心拍数の増加
- 手の震え
- 不安
- 頭痛
などがあります。
参考文献
日本呼吸器学会. 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019. メディカルレビュー社. 2019
グラクソ・スミスクライン.“アドエアディスカス/アドエアエアゾール”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/340278_2290800G1032_1_12,(参照 2024-04-25).
グラクソ・スミスクライン.“サルタノールインヘラー100μg”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/3402782254700G40371_11,(参照 2024-04-25).
大塚製薬.“メプチンエアー10μg吸入100回”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/180078_2259704G9033_1_09,(参照 2024-04-25).
対処法・セルフケア
咳喘息の治し方を教えてください。自力で治る病気ですか?
咳喘息の治療は、吸入ステロイド薬が基本で必要に応じて他の薬を併用します。
咳喘息は、気道の炎症が原因で起こる咳ですが、自然に治る病気ではありません。
治療が不十分な場合、成人患者さんの30%以上で喘鳴が出現し、典型的喘息に移行すると言われています。咳喘息を治すためには、医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
咳喘息の治療は、気道の炎症を抑えることを目的とし、一般的には以下の方法が行われます。
咳喘息の治療方法
吸入ステロイド薬(ICS)の使用
咳喘息の第一選択薬であり、気道の炎症を抑える効果があります。
気管支拡張薬の使用
気管支を広げ、咳を軽減する効果があります。
ロイコトリエン受容体拮抗薬の使用
気道の炎症に関与するロイコトリエンという物質の働きを抑える薬です。
テオフィリン徐放製剤の使用
気管支拡張作用や抗炎症作用を持つ薬です。
抗アレルギー薬の使用
アレルギー反応を抑えることで、咳を軽減する効果があります。
治療における注意点
医師の指示に従って治療を継続すること
咳喘息は、症状が改善しても、治療を中断すると再発する可能性が高い病気です。
長期的な治療が必要となるため、医師の指示に従って根気強く治療を続けることが重要です。
日常生活における咳のきっかけを避けること
咳喘息の咳は、寒暖差、タバコの煙、ダニ、ハウスダストなどの刺激によって悪化することがあります。
これらのきっかけを避けるように心がけることも大切です。
咳喘息は喘息に移行する可能性があること
咳喘息を放置すると、喘息に移行する可能性があります。
早めに適切な治療を受けることが重要です。
咳喘息は、適切な治療を行うことで症状をコントロールし、日常生活に支障なく過ごすことができます。
咳喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
咳喘息で吸入ステロイドが効かない場合、どうしたらよいですか?
吸入ステロイドで効果が見られない場合、気管支拡張薬やアレルギーを抑える薬が有効な場合があります。
吸入薬で改善しない場合には、アレルギーを抑える内服薬が効果を発揮することがあります。作用の異なる複数種類の吸入気管支拡張薬を組み合わせることもあります。
また、咳喘息に合併することがある逆流性食道炎に対しても治療を開始することもあります。
咳喘息以外にも咳を引き起こす病気は多数ありますので、薬が効かない場合には診断が正しいかも再度評価する必要があります。
咳喘息は管理が不十分だと喘鳴が出現して気管支喘息に移行するため、適切な治療を受けることが重要です。まずは担当の医師に相談するのがよいでしょう。
咳喘息の場合、日常生活で気を付けることはありますか?
喫煙などの咳のきっかけを避け、自宅や職場の環境を清潔に保ちましょう。
タバコの煙や花粉、ペットの毛など、咳のきっかけとなるものがわかっている場合には、これらを避けることが重要です。
また、
- 空気清浄機の使用
- 定期的な換気
- 寝具類の洗濯
などで、自宅や職場の環境を清潔に保ちましょう。喫煙は避け、受動喫煙の環境にも注意します。
咳喘息は管理が不十分な場合には典型的な喘息へと移行することがあります。症状がなくなっても、吸入ステロイドを中心とした炎症を抑える治療を毎日きちんと継続することが重要です。
咳喘息に関連するその他の質問
大人で、寝ると咳が出る場合や朝だけ咳が出る場合、咳喘息の可能性はありますか?
咳が8週間以上続いており、夜間や早朝に悪化する傾向にある場合は咳喘息の可能性があります。
大人で、寝ると咳が出る場合や朝だけ咳が出る場合、咳喘息の可能性は十分考えられます。
咳喘息は、喘鳴や呼吸困難を伴わない8週間以上続く咳嗽が唯一の症状で、呼吸機能はほぼ正常であるものの、気道過敏性が亢進し、気管支拡張薬が有効な病気です。
咳喘息の症状は、夜間から早朝にかけて悪化しやすい傾向があります。 これは、就寝時に気道が狭くなりやすく、咳が出やすくなるためです。
咳喘息は、典型的な喘息に移行する可能性もあるため、注意が必要です。
しかし寝るときや朝方に咳が出る原因は咳喘息以外にも、以下のような病気が考えられます。
アトピー咳嗽
アレルギー反応によって喉頭が炎症を起こし、咳や咽喉頭異常感を引き起こす病気です。
咳喘息と異なり、気管支拡張薬は無効ですが、抗ヒスタミン薬が有効です。
後鼻漏症候群
慢性副鼻腔炎などによって鼻水が喉に流れ込み、咳を引き起こす病気です。
胃食道逆流症(GERD)
胃酸が食道に逆流することで、咳などの症状を引き起こす病気です。
咳喘息と同様に、夜間や早朝に咳が出やすいことがあります。
咳が長引く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが重要です。
咳喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
お酒を飲むと咳が出る場合、咳喘息の可能性はありますか?
お酒を飲むと咳が出る場合、咳喘息の可能性も考えます。
お酒を飲むと咳が出る場合、咳喘息の可能性を考える必要があります。
アルコール摂取によって、体内で生成されるアセトアルデヒドという物質が、気道を刺激したり収縮させたりして咳を引き起こすことがあるためです。
特に日本人は、欧米の方々と比べてアセトアルデヒドを分解する能力が低い人が多く、お酒の影響を受けやすい傾向があります。このため、お酒を飲んだあとに咳が頻繁に出る場合は注意が必要です。
ただし、飲酒後に咳が出る原因は咳喘息以外にも、アルコール自体による刺激、胃食道逆流症(GERD)などさまざまな要因が考えられるため、注意が必要です。
症状が続くときは早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
冷たい空気を吸うと咳が出る場合、咳喘息の可能性はありますか?
冷たい空気を吸うと咳が出る場合、咳喘息の可能性があります。
冷たい空気を吸ったときに咳が出る場合、咳喘息の可能性を考える必要があります。
特に、咳だけの症状が数週間以上続いている場合は、咳喘息である可能性があります。
そのまま放置すると、典型的な喘息に移行するリスクがあるため、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けることが重要です。
また、咳喘息になりやすい要因として、女性であること、運動、喫煙、冷気、雨天や湿度の高さ、花粉や黄砂などの環境要因が挙げられます。
このようなリスク要因がある場合は、咳の症状を注意深く観察し、悪化しないよう予防や治療に努めましょう。
ただし、冷たい空気で咳が出る場合、咳喘息以外にも、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、胃食道逆流症(GERD)などが原因となることもあります。
正確な診断のためにも、早めに医療機関で相談することをおすすめします。
咳喘息では喉の痛みがみられることはありますか?
咳が続くことで喉に負担がかかり、二次的な喉の痛みを感じる場合はあります。
咳喘息で喉の痛みがみられることは通常ありません。
咳喘息は喘息の一種ですが、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒューという音)や、息苦しさといった典型的な喘息症状がみられない点が特徴です。
ただし、咳が続くことで喉に負担がかかり、二次的な喉の痛みを感じる場合があります。これは咳による物理的な刺激や乾燥が原因です。
このような場合、咳そのものを抑える治療が、喉の痛みの改善につながることがあります。
喉の痛みが続く場合は、他の原因(感染症、後鼻漏、胃酸逆流など)も考えられるため、医師に相談することをおすすめします。
咳が一週間続く場合、咳喘息の可能性はありますか?
可能性はありますが、1週間咳が続いている段階では通常、咳喘息の診断には至りません。
1週間続く咳(急性咳嗽)は、咳喘息の可能性はあるものの、その他の病気も考えられます。
咳喘息は8週間以上続く咳(慢性咳嗽)を特徴とするため、1週間咳が続いている段階では通常、咳喘息の診断には至りません。
急性咳嗽(発症から3週間未満の咳)の原因として、最も頻度が高いのは風邪(ウイルス性上気道炎)です。
風邪が治ったあとも3週間以上咳が続く場合には、感染後咳嗽や咳喘息が考えられます。
症状が長引く場合には医療機関を受診しましょう。
横になると咳が出る場合、咳喘息の可能性はありますか?
横になると咳が出る場合、咳喘息の可能性があります。
横になると咳が出る場合は、咳喘息の可能性があります。
咳喘息では、夜間や早朝に咳が悪化するのが特徴的であり、これは気道過敏性の亢進や炎症によるものです。
横になることで気道が狭くなりやすくなり、咳が出やすくなることも理由のひとつです。
ただし、同様の症状は心不全や胃食道逆流症(GERD)や後鼻漏症候群(PND)などの他の病気でもみられます。
原因が心不全である場合は、逆に上半身を起こした体勢をとると、咳が軽くなる場合も多いです。
正確な診断のためには、医療機関での評価が必要です。
咳喘息と喘息の違いは何ですか?
咳喘息では、気管支喘息でみられる喘鳴や息苦しさの症状がありません。
咳喘息は喘息の一種ですが、気管支喘息との主な違いは、気管支喘息に特徴的な「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴や息苦しさの症状がみられない点です。
咳喘息では、文字通り「咳」が唯一の症状として現れます。
以下の2つを満たす場合には、咳喘息の可能性があります。
- 喘鳴を伴わない咳嗽が8週間以上続くこと(聴診でも喘鳴〈wheeze〉が認められない)
- 気管支拡張薬が有効であること
治療の基本は、気管支喘息と咳喘息のいずれも吸入ステロイド薬を使用します。
なお、咳喘息の約30%が気管支喘息へ移行するリスクがあるため、定期的な治療を継続することが非常に重要です。
咳喘息はストレスと関連しますか?
咳喘息はストレスと関連があります。ストレスを感じることで咳の症状が悪化することがあります。
咳喘息はストレスと非常に深く関連しています。咳喘息や喘息による咳は、ダニやペットといったアレルギーの原因物質をはじめ、タバコの煙などの気道を刺激する物質、風邪などの感染症、冷たい空気、さらには日常の会話など、さまざまな要因によって引き起こされたり悪化したりします。その中でも「ストレスや疲労」は、気道を過敏にさせて咳を誘発しやすくする主な要因のひとつとして広く知られています。
ストレスで咳喘息が悪化するメカニズム
人が心理的なストレスを受けると、体内では次のような変化が起こり、咳喘息の症状が悪化することが研究によりわかっています。
- 自律神経のバランスの乱れ:ストレスによって自律神経が乱れると、気管支が収縮しやすくなり、空気の通り道が狭くなります。
- ストレス応答の活性化:体内のストレス応答の仕組みが強く働き、気道における炎症反応が強まります。
こうした身体の反応が重なることで、咳が長引いたり悪化したりします。実際に「喘息予防・管理ガイドライン2024」でも、精神的なストレスや強い情動表出(感情の起伏)が喘息の増悪因子として挙げられています。
抑うつ・不安と心身のケア
喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音)を伴う典型的な喘息の患者さんと比較して、咳喘息の患者さんは「抑うつ」や「不安」の傾向が強いことが報告されています。心理的な負担やストレスが大きい状態が続くと、治療の効果自体が出にくくなる可能性も示唆されています。そのため、咳喘息の管理においては、体の症状を抑えるだけでなく、心と体の両面からのケアが非常に重要となります。
日常生活におけるストレス管理の工夫
厚生労働省のeJIMでも、ストレスや不安の管理が喘息のコントロール改善につながる可能性が紹介されています。日常生活の中では、以下のような工夫を取り入れることが推奨されます。
- 睡眠と生活リズムの安定:十分な睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを保つ。
- リラックスタイムの確保:適度な運動、ヨガ、深呼吸などを取り入れ、意識的に心身を休める時間をつくる。
- 食事の管理:栄養バランスのとれた食事を心がけ、体調の土台を整える。
長引く咳自体が新たなストレスとなり、症状がさらに悪化する悪循環に陥ることもあります。ストレスによって咳が繰り返し悪化する場合や、慢性的に長引いている場合は決して無理をせず、早めに医療機関への受診をご検討ください。
咳喘息はうつる病気ですか?
咳喘息は、感染症ではないため他人にうつることはありません。
咳喘息は、細菌やウイルスなどの病原体による感染症ではなく、気道の炎症が原因で起こる病気です。そのため、咳喘息は人にうつる病気ではありません。
咳喘息は、気道が過敏になり慢性的な咳を引き起こす状態であり、さまざまな原因がトリガー・悪化因子となっています。
- 咽喉頭掻痒感
- 急性上気道炎
- 冷乾気
- 運動
- 受動喫煙を含む喫煙
- 煙
- 匂い
- 会話
- 雨天
- 花粉や黄砂の飛散
など
咳喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
寒暖差アレルギーと咳喘息は関係ありますか?
いわゆる寒暖差アレルギーと咳喘息は、それぞれ異なる病態です。
「寒暖差アレルギー」という疾患概念は確立されていません。
血管運動性鼻炎は寒暖差などに自律神経が異常に反応することによって、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった鼻炎の症状が引き起こされる病気であり「寒暖差アレルギー」と呼ばれることがあります。
咳喘息と血管運動性鼻炎は異なる病気ですが、咳喘息も寒暖差によって咳が引き起こされることがあります。
これは寒暖差が気道の神経を刺激し、咳受容体の感受性を高める可能性があるためで、咳喘息の患者さんで観察される気道過敏性亢進と同様のメカニズムです。
特に、夜間から早朝にかけての咳や季節性の咳は、咳喘息の特徴であり、寒暖差の影響を受けやすい時間帯・時期と重なります。
寒暖差によって咳が引き起こされる場合、咳喘息の可能性も考慮する必要があります。
咳喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
咳喘息について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「咳喘息」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 夜間に咳がひどくなりますか?
- 夜中や朝起きた時に息苦しさや咳が出ますか?
- せきが出ていますか?
- 熱が出る前に風邪や胃腸の不調がありましたか?
- 発作のように咳が出ていますか?
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この記事の監修医師
折茂 圭介
呼吸器内科・アレルギー科・内科
東北大学医学部卒。東京都立駒込病院での初期研修を経て東京女子医科大学呼吸器内科入局。大学院で国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー感染研究部に国内留学。博士課程修了後、同研究室で研究員として勤務。専門は呼吸器内科学、特に喘息をはじめとするアレルギー学。
- 更新日
- 2026/10/28
- 公開日
- 2020/09/03