ホモシスチン尿症が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
発達の遅れや発育不良、視力異常、血栓症などがあれば、早めに専門科を受診することが推奨されます。
発達の遅れ、発育不良、視力異常、原因不明の血栓などがある場合は、早めに小児科や内科(代謝・内分泌科)を受診することがすすめられます。
ホモシスチン尿症は、生まれつきの代謝異常によって体内にホモシステインが蓄積し、さまざまな臓器に影響を及ぼす病気です。症状がゆっくり進むことも多く、初期のうちは「少し発達が遅い」「目が悪い」「体が細長い」といった軽いサインしか見られないことがあります。しかし、放置すると脳梗塞や肺塞栓など、命に関わる血栓症を起こす可能性があるため、早期発見がとても重要です。
以下のような場合は、早めの受診がすすめられます。
- 子どもの体重増加不良や発育不良がある
- 子どもの発達が遅い、筋力が弱い
- 視力の低下や水晶体のずれ(脱臼)がある
- 手足が長い・背が高く細い体型になってきた
- 原因不明のけいれん、集中力の低下、知的発達の遅れがある
- 若いのに血栓症(脳梗塞・肺塞栓など)を起こした
これらのサインがある場合、小児では小児科(特に小児代謝専門医)、成人では内科の代謝・内分泌科または神経内科に相談するとよいでしょう。早期に診断がつけば、食事療法やビタミン治療で重い合併症を防ぐことができます。
日本では新生児マススクリーニング(生まれてすぐに行う一斉検査)に含まれているため、検査で異常が疑われた場合には小児代謝専門施設へ紹介されます。
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(参考文献)
日本先天代謝異常学会.ホモシスチン尿症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/08_01_008/(参照 2025-12-15)
中村公俊.ホモシスチン尿症(指定難病337).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/22378(参照 2025-12-15)
診断基準策定委員会.“ホモシスチン尿症(シスタチオニン β合成酵素欠損症)”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/pdf/guideline/03_jsimd-Guideline_draft.pdf,(参照 2025-12-15).
診断基準策定委員会.“先天代謝異常症の診療指針ホモシスチン尿症(シスタチオニンβ合成酵素欠損症) ”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/documents/GuidelinesInClinicalGenetics/homosutinnyousyou.pdf,(参照 2025-12-15).
診断基準・診療ガイドライン委員会.“新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン 2025 ホモシスチン尿症”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/pdf/guideline/MS/3_ms2025.pdf,(参照 2025-12-15).
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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