ホモシスチン尿症の場合、主にどのような治療をしますか?

ビタミンB₆と低メチオニン食を基本に、葉酸・B₁₂・ベタインを併用し、ホモシステインを減らします。

ホモシスチン尿症の主な治療は、ビタミンB₆投与や低メチオニン食によって、体内のホモシステインを減らし、合併症を予防することです。

ホモシスチン尿症は、メチオニンというアミノ酸を代謝する酵素の異常により、ホモシステインが体にたまる病気です。治療の目的は、ホモシステイン濃度を可能な限り正常に近づけることで、脳梗塞・水晶体脱臼・骨の異常などの合併症を防ぐことです。治療法は、酵素がどの程度働いているかによって異なります。

最も多い古典的ホモシスチン尿症(CBS欠損症)では、まずビタミンB₆(ピリドキシン)を試します。これは酵素の働きを助ける補酵素で、一部の患者さんでは、投与により酵素活性が高まり、ホモシステイン値が大きく下がります。反応しない場合には、低メチオニン食(メチオニンを制限した特別な食事)を中心に治療を行います。

さらに、葉酸(ビタミンB₉)やビタミンB₁₂を補うことで、ホモシステインをメチオニンへ再利用する経路を助けます。ベタイン(トリメチルグリシン)という物質を併用することも多く、これはホモシステインをメチオニンに戻す代謝を促進します。

定期的なモニタリングと生涯にわたる治療が不可欠ですが、治療を早期に開始し、血中ホモシステイン値を厳密に管理すれば、正常な発達や生活が可能になる例も多く報告されています。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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