ホモシスチン尿症には初期症状はありますか?

発達の遅れや発育不良、筋力低下などの症状が、乳児期以降に徐々に目立つようになります。

はい、ホモシスチン尿症には初期症状があります。主な初期症状は発達の遅れや筋力の弱さ、けいれん、目の異常などです。

ホモシスチン尿症は、生まれつき代謝酵素がうまく働かず、体の中でホモシステインという物質が過剰にたまることによって、全身の組織に障害をもたらす病気です。症状は多様で、目、骨格、神経、血管の4つの臓器系に特徴的な変化が起こりますが、生後すぐにははっきりした異常が見られないことが多いのが特徴です。新生児の時点では見た目が健康に見えるため、異常に気づかれず、乳児期〜幼児期にかけて徐々に症状が出てくることがあります。

初期症状には、以下のものがあります。

  • 発育不良、体重増加不良
  • 発達の遅れ(寝返り、はいはい、歩く、話すなどの発達の遅れ)
  • 筋緊張低下(筋力の弱さ、首がすわりにくい、運動が苦手など)
  • 行動障害、学習障害
  • けいれん発作(てんかん
  • 視力障害(重度の近視、水晶体脱臼)
  • 骨格異常(高身長、痩せ型、長い手足、漏斗胸、側湾)や骨粗鬆症

治療を受けない場合、通常は1歳から3歳の間に兆候が現れ始めます。また、学校入学前後に、近視の進行や学習の遅れで気づかれることもあります。

ただし、現在では、日本を含む多くの国で新生児マススクリーニング検査(生まれてすぐに行う一斉検査)によって、症状が出る前に診断できるようになりました。早期発見により、食事療法やビタミン治療を早く始めることができれば、神経障害や血栓症などの重い合併症を防ぐことが可能です。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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