ホモシスチン尿症の末期症状はどのようなものがありますか？

ホモシスチン尿症の末期症状は、眼障害、骨格変形、神経・精神障害、血管合併症です。

ホモシスチン尿症は、ホモシステインという物質が体内に過剰に蓄積することで、長年にわたり血管・神経・骨などを傷つける病気です。治療が行われなかったり、発見・管理が遅れた場合には、さまざまな臓器障害が進行し、最終的には生命に関わる状態に至ることがあります。

① 血管・心臓の合併症（生命を脅かす主因）

ホモシステインが血管の内側を傷つけ、血液が固まりやすくなるため、脳梗塞（意識障害、麻痺）、肺塞栓（息切れ、胸痛、突然死）、冠動脈疾患（胸痛、失神、突然死）などをきたす恐れがあります。これらが末期症状として最も重要であり、命に関わります。

② 神経・精神の障害

長期的にホモシステインが高値のままだと、脳への血流障害が続き、知的障害、発達遅滞、痙攣、歩行困難などが進行します。治療されていない成人例では、認知機能の低下や、うつ症状、不安症、強迫性障害、人格障害などの精神疾患も見られます。

③ 眼・骨格系の障害

水晶体脱臼が進行し、網膜剥離や失明に至ることがあります。また、骨粗鬆症による骨折や脊柱変形（側弯）による疼痛や歩行障害が出現します。

重症例では10〜20代で血栓症による致命的な合併症を起こすこともありますが、適切な食事療法・ビタミン治療で寿命を全うすることも可能です。末期症状は主に治療不十分なケースでみられるものであり、早期治療と継続的な管理が重要です。