「ホモシスチン尿症」とはどのような病気ですか?
ホモシスチン尿症は代謝異常でホモシステインが蓄積し、血管、骨、目、神経などに障害を起こす病気です。
ホモシスチン尿症は、アミノ酸(体のたんぱく質のもと)代謝の異常によって、ホモシステインという物質が体内にたまり、さまざまな障害を起こす先天性代謝異常症です。
ホモシスチン尿症はまれな遺伝性代謝障害で、メチオニンというアミノ酸を分解する際に必要な酵素(体内で化学反応を助けるたんぱく質)の働きが弱い、または欠けているために起こる病気です。本来なら代謝されて少量しか存在しないホモシステインが血液や尿に過剰にたまり、血管や骨、神経などにさまざまな障害を引き起こします。
症状は多様で、乳幼児期には発達の遅れ、けいれん、筋力の低下などが見られます。成長とともに高身長、長い手足や指、くぼんだ胸(漏斗胸)など特徴的な体つきになることがあります。また水晶体脱臼(目の中のレンズがずれる)、骨粗鬆症、知的発達の遅れ、血栓症(脳梗塞や肺塞栓など)を起こすこともあります。症状は通常小児期に現れますが、成人期まで兆候が現れない人もいます。
診断は、主に血液検査と尿検査で行います。日本では新生児マススクリーニング(生後まもなく行う一斉検査)で早期発見が可能です。治療は、ビタミンB₆(ピリドキシン)に反応するタイプではその投与が有効です。反応しない場合は、低メチオニン食(特別なミルクや食事)や葉酸、ビタミンB₁₂、ベタインなどを用いてホモシステインの量を減らします。
生涯にわたる管理を必要とする病気ですが、早期に診断し治療を始めることで、重い合併症を防ぐことができます。
ホモシスチン尿症について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
日本先天代謝異常学会.ホモシスチン尿症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/08_01_008/(参照 2025-12-15)
中村公俊.ホモシスチン尿症(指定難病337).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/22378(参照 2025-12-15)
診断基準策定委員会.“ホモシスチン尿症(シスタチオニン β合成酵素欠損症)”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/pdf/guideline/03_jsimd-Guideline_draft.pdf,(参照 2025-12-15).
診断基準策定委員会.“先天代謝異常症の診療指針ホモシスチン尿症(シスタチオニンβ合成酵素欠損症) ”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/documents/GuidelinesInClinicalGenetics/homosutinnyousyou.pdf,(参照 2025-12-15).
診断基準・診療ガイドライン委員会.“新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン 2025 ホモシスチン尿症”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/pdf/guideline/MS/3_ms2025.pdf,(参照 2025-12-15).
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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