ホモシスチン尿症ではどのような症状がありますか?
目・骨・神経・血管に障害が起こり、水晶体脱臼、骨格異常、神経障害、血栓症などが起こります。
ホモシスチン尿症では、目・骨・神経・血管にさまざまな症状が現れます。代表的なものは、水晶体脱臼(目のレンズがずれる)、骨の異常、発達の遅れ、血栓症です。
ホモシスチン尿症は、体の中でホモシステインという物質が過剰にたまることによって、全身の組織に障害をもたらします。症状は多彩で、目、骨格、神経、血管の4つの臓器系に特徴的な変化が起こります。
目の異常では、10歳前後から水晶体脱臼(目の中の透明なレンズがずれる)が起こりやすく、視力低下や近視が進むことがあります。緑内障、視神経萎縮、白内障、網膜剥離などが起こることもあります。
骨格の異常として、身長が高く手足が長い、指が細く長い、背骨が曲がる(側弯)など、マルファン症候群に似た体型を示すことがあります。また、骨がもろく骨折しやすいこともあります。
神経・精神面では、知的障害、発達遅滞、学習の困難、てんかん、うつ症状などがみられることがあります。
また、血管壁がもろくなるため脳梗塞や肺塞栓などの血栓症が若年でも起こりえます。これは生命に関わる合併症で、早期発見と予防が重要です。
このようにホモシスチン尿症は一見ばらばらの症状が現れますが、いずれもホモシステインの蓄積が全身の細胞や血管を傷つけることが根本的な原因です。無治療の場合、通常は小児期から目、骨格、神経系の症状を認め、思春期から成人期に血栓症を発症しますが、適切な治療を早期に行えば、これらの合併症を大きく減らすことができます。
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(参考文献)
日本先天代謝異常学会.ホモシスチン尿症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/08_01_008/(参照 2025-12-15)
中村公俊.ホモシスチン尿症(指定難病337).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/22378(参照 2025-12-15)
診断基準策定委員会.“ホモシスチン尿症(シスタチオニン β合成酵素欠損症)”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/pdf/guideline/03_jsimd-Guideline_draft.pdf,(参照 2025-12-15).
診断基準策定委員会.“先天代謝異常症の診療指針ホモシスチン尿症(シスタチオニンβ合成酵素欠損症) ”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/documents/GuidelinesInClinicalGenetics/homosutinnyousyou.pdf,(参照 2025-12-15).
診断基準・診療ガイドライン委員会.“新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン 2025 ホモシスチン尿症”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/pdf/guideline/MS/3_ms2025.pdf,(参照 2025-12-15).
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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