ホモシスチン尿症は遺伝しますか?

ホモシスチン尿症は遺伝します。常染色体劣性遺伝という形式で、両親が保因者のときに子どもが発症します。

はい、ホモシスチン尿症は遺伝します。

ホモシスチン尿症は、メチオニンというアミノ酸を代謝する酵素の遺伝的異常によって起こります。最も多いタイプは、シスタチオニンβ合成酵素(CBS)という酵素を作るCBS遺伝子の変異によるもので、この酵素が働かない、または働きが弱くなることで、ホモシステインが体内に過剰にたまります。

この病気は常染色体劣性遺伝という形式で、父母の両方から異常な遺伝子をひとつずつ受け継いだ場合に、子どもが発症します。父親と母親の両方が変異したCBS遺伝子の「保因者(キャリア)」である場合、遺伝の仕組みを確率で示すと次の通りです。

妊娠ごとに、

  • 子どもが発症する確率:25%
  • 子どもが保因者になる確率:50%
  • 子どもが正常な遺伝子を2つ持つ確率:25%

保因者は酵素活性が半分ほどですが、通常はホモシステイン値に大きな異常はなく、症状も現れません。したがって、両親とも健康であっても、子どもに発症することがあります。

CBS以外にも、ホモシステイン代謝に関与する他の遺伝子(MTHFR、MTR、MTRR、MMADHCなど)の変異も、ホモシスチン尿症の原因となることがあります。

近年では、遺伝子検査によって、CBS遺伝子や他の関連酵素の遺伝子の変異を確認できるようになっています。家族内に発症例がある場合、遺伝カウンセリングを受けて、次の妊娠や出生前診断の可能性について医師と相談することが推奨されます。

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宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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