ホモシスチン尿症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか？

ビタミンB₆などの薬に反応しない場合は、低メチオニン食を中心に、ベタイン、葉酸、ビタミンB₁₂の併用療法を行います。血中ホモシステイン値の厳密な管理が重要です。

ホモシスチン尿症には、ビタミンB₆（ピリドキシン）を投与すると改善するタイプと、効果がみられないタイプがあり、後者は遺伝的に酵素の活性がほとんどないことが原因です。

この場合、治療の柱となるのは食事療法です。メチオニンを多く含むたんぱく質を制限し、代わりに特殊アミノ酸ミルクや医療用の低メチオニン食品を使用します。これにより、体内でホモシステインが過剰に作られるのを防ぎます。栄養バランスを保つために、管理栄養士と連携して食事内容を調整します。

さらに、薬物療法としては以下が併用されます：

• ベタイン：ホモシステインをメチオニンに戻す代謝を助け、血中ホモシステイン濃度を下げる。
• 葉酸とビタミンB₁₂：ホモシステインの再利用経路を活性化し、代謝効率を上げる。

基本は継続的な栄養・薬物管理が中心です。また成人では、脳梗塞や心血管障害、妊娠・出産時の血栓症リスクも高く、抗血栓療法が必要となります。

どの治療法も「病気を完全に治す」ことは難しいものの、早期から適切に管理すれば、知的発達や血栓症などの合併症を大幅に防ぐことができます。