ホモシスチン尿症の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
食事管理、服薬、定期検査の継続を徹底し、脱水や長時間の安静を避けて血栓症を予防することが大切です。
ホモシスチン尿症では、食事管理と服薬の継続、定期検査の徹底、血栓症の予防が日常生活での重要な注意点です。
ホモシスチン尿症は、ホモシステインという物質が血液中に多くたまることで、血管・骨・神経などに障害を起こす病気です。ホモシステインの濃度を下げ、合併症を防ぐため、日常生活では以下の点に注意が必要です。
① 食事管理の徹底
メチオニンを多く含む肉や魚、卵などの摂取を制限し、医師や栄養士が指導する低メチオニン食を続けることが重要です。自己判断で制限を緩めると、血中ホモシステイン値が上昇し、血栓や神経障害を引き起こす危険があります。
② 服薬の遵守
ビタミンB₆、ベタイン、葉酸、ビタミンB₁₂などの薬は、代謝を助ける働きがあります。症状が落ち着いていても、中断せず継続することが必要です。
③ 血栓症の予防
ホモシステインは血管を傷つけやすく、血栓症(脳梗塞や肺塞栓)を起こすことがあります。こまめな水分補給、長距離移動時のストレッチ、適度な運動が予防になります。また、喫煙など心血管疾患のリスクを高める可能性のある要因を避けましょう。
④ 定期的な通院
血中ホモシステインやメチオニンの濃度、栄養状態を定期的に確認し、治療の効果を評価します。また、病気の性質上、成長やライフステージに応じて食事内容や薬の量を見直す必要があります。医師・管理栄養士・遺伝カウンセラーとの継続的な相談が大切です。
家族や友人に病状を伝え、食事制限や治療の重要性を理解してもらうことも大切です。
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(参考文献)
日本先天代謝異常学会.ホモシスチン尿症 概要.小児慢性特定疾病情報センター,https://www.shouman.jp/disease/details/08_01_008/(参照 2025-12-15)
中村公俊.ホモシスチン尿症(指定難病337).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/22378(参照 2025-12-15)
診断基準策定委員会.“ホモシスチン尿症(シスタチオニン β合成酵素欠損症)”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/pdf/guideline/03_jsimd-Guideline_draft.pdf,(参照 2025-12-15).
診断基準策定委員会.“先天代謝異常症の診療指針ホモシスチン尿症(シスタチオニンβ合成酵素欠損症) ”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/documents/GuidelinesInClinicalGenetics/homosutinnyousyou.pdf,(参照 2025-12-15).
診断基準・診療ガイドライン委員会.“新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン 2025 ホモシスチン尿症”.日本先天代謝異常学会.https://jsimd.net/pdf/guideline/MS/3_ms2025.pdf,(参照 2025-12-15).
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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