夜間多尿と心不全の関係性を教えてください。

夜間多尿は心不全によって引き起こされることがあり、両者には密接な関係があります。

【心不全が夜間多尿を引き起こすメカニズム】

以下のようなメカニズムで心不全によって夜間多尿が起こることがあります。
【典型的なメカニズム】

1. 日中の水分貯留（足のむくみ）

心不全で心臓の機能が低下すると、重力の影響で日中に水分が足などの下肢に溜まりやすくなり、下肢のむくみが起こりやすくなります。

2. 寝る姿勢による影響

その状態で夜間に体を横たえると、重力の影響が弱まり、下肢に溜まった水分が心臓へ戻りやすくなります。

3. ホルモンによる利尿促進

過剰な水分が心臓に戻るため、心臓から尿をつくるホルモン（利尿ホルモン）が分泌されます。

4. 結果として夜間多尿が発生

利尿ホルモンが腎臓に働くことで、夜間睡眠中などに過剰に尿が作られます。

【その他のメカニズム】

心不全の治療薬として利尿薬や降圧薬が使用されることがあり、その副作用として夜間の尿量が増え、夜間多尿になることもあります。そのため、夜間多尿がある場合は心不全が隠れている可能性があります。夜間多尿が気になる場合は、我慢せずに泌尿器科を受診しましょう。