夜間多尿と高血圧の関係性を教えてください。
夜間多尿は高血圧と密接に関連し、塩分過剰摂取や夜間の血圧上昇、降圧薬は夜間多尿に大きく影響します。
夜間多尿は高血圧と以下のような複数のメカニズムで関連しており、両者が相互に影響し合うことが報告されています。
塩分摂取過多
塩分を過剰に摂取すると、血圧が上がるだけでなく、日中だけで十分に塩分が排泄できず夜間になっても余分な塩分を排泄しようとするため、夜間の尿量が増えます。実際に、塩分摂取過多(9.2g/日以上など)は夜間頻尿の独立したリスク因子と報告されており、減塩により夜間の尿の回数を減らすことが期待できます。
夜間血圧の異常
健康な人は、夜間睡眠中は血圧が低下しますが、高血圧の方は夜間も血圧が十分に下がらない場合があります。夜間血圧が高い状態が続くと、腎臓への血流が増加し、尿がより多く作られるため、夜間多尿につながります。
降圧薬の影響
カルシウム拮抗薬は代表的な降圧薬の一種ですが、昼間の塩分排泄が十分に行われず、夜間に塩分排泄が増加し、結果として夜間多尿・頻尿が増加する可能性があります。また、カルシウム拮抗薬の種類によっては下肢のむくみが副作用として起こることがあります。下肢のむくみは、夜間に横になると、その水分が心臓や血管に流れ込む原因となるので、尿の産生が増加し、夜間多尿につながります。降圧薬として利尿作用(尿をつくる作用)のある薬を日中使用することで、夜間の尿量が減るという報告がありますが、長期的な利用によって腎機能障害などの副作用もあるため、担当の医師と相談しつつ使用する必要があります。
以上のように夜間多尿と高血圧には密接な関係がありますが、塩分の摂取を減らすことは薬を使用しない対策となります。
ただし、それだけでは改善しないことも多いので、高血圧と夜間多尿の両方がある場合、医師に相談して降圧薬の種類や投与時間を調整することも大切です。
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(参考文献)
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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