夜間多尿と認知症の関係性を教えてください。
夜間多尿は、認知症の方の尿のトラブルの中で最も頻度の高い症状である夜間頻尿の原因の一つです。
夜間頻尿(夜間に1回以上起きて排尿する症状)は、認知症の患者さんにおいて、最も頻度の高い下部尿路症状の一つです。夜間多尿(夜間に尿が過剰に作られる状態)は、この夜間頻尿の主要な原因の一つです。夜間多尿によって夜間睡眠が中断されると、以下のような悪影響が生じる可能性があります。
QOL(生活の質)や認知機能の低下
排尿のために夜間に何度も目が覚めることは、日中の疲労感や倦怠感、活動性や集中力の低下につながり、QOLを大きく損ないます。そのため、夜間多尿は、認知機能障害やうつ病といった症状とも関連が指摘されています。
転倒・骨折リスクの増加
特に高齢者が夜間に頻繁に起きることは、転倒や大腿骨頸部骨折のリスクを高めるため、生命予後にも関わる重大な問題となります。
また、認知症と夜間多尿は以下のように相互に影響を及ぼし合います。
夜間多尿が認知症の症状を悪化させる
睡眠が分断されることで、認知症の行動・心理症状(BPSD)が悪化する可能性があります。例えば、夜間の落ち着きのなさや興奮といった症状が増えることがあります。
認知症が夜間多尿を悪化させる
認知症によって排泄管理や水分摂取のコントロールが難しくなり、水分の過剰摂取によって夜間多尿が誘発・悪化するケースもあります。
認知症の方の夜間多尿の治療は、ご本人だけでなく、介護するご家族の負担軽減や生活の質の向上にも重要です。
夜間多尿について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
日本排尿機能学会.“夜間頻尿診療ガイドライン第2版. リッチヒルメディカル. 2020”..https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/37nocturiav2-2.pdf,(参照 2025-11-05).
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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