肥満症の食事療法は、何から始めればよいですか?
まずは3〜6ヶ月で今の体重の3%以上を減らすことを目標にし、1日にとるエネルギーの目安を知ることから始めます。
肥満症の食事療法は、まず減量の目標を決め、1日にとるエネルギーの目安を知ることから始めます。BMI25kg/m²以上35kg/m²未満の成人の肥満症では、減量の目標は、3〜6ヶ月で今の体重の3%以上とされています(肥満症診療ガイドライン2022)。
特定保健指導(積極的支援)を6ヶ月受けた人の調査では、体重が3%以上減った人で、血圧・脂質・血糖などの検査値に改善がみられたと報告されています。1日にとるエネルギーは、「25kcal×目標体重(kg)」以下が目安です。ただし、これは医療者が食事量を設定する際の目安であり、実際の摂取量は年齢・活動量・持病などに応じて調整します。
極端な食事制限ではなく、栄養のバランスを整え、体重を記録しながら続けることが基本です。
1日にとるエネルギーの目安
65歳未満の人は、BMI22kg/m²になる体重が目標体重の目安です(65歳以上はBMI22kg/m²以上25kg/m²未満で、表より多めになります)。身長ごとの目安は次のとおりです。
ここでの目標体重は食事量を計算するための目安で、この体重まですぐに減らすという意味ではありません。今の食事量との差が大きい場合などは、医療機関で相談して決めます。BMI35kg/m²以上の人は、減量の目標や食事量の目安が異なります。
栄養のバランスを整える
エネルギーのうち、炭水化物は50〜65%、たんぱく質は13〜20%、脂質は20〜30%が目安です。たんぱく質・ビタミン・ミネラル、食物繊維も十分にとりましょう。炭水化物を減らす方法(糖質制限)は、短期的な減量効果は報告されていますが、長期的な効果を示す根拠はまだありません。極端に食べる量を減らすと、栄養が足りなくなるおそれがあります。
体重を記録し、食べ方を見直す
朝起きてすぐなど決まった時間に毎日体重を測り、グラフに記録すると、体重の変化を把握し、食べ方や生活習慣を見直すきっかけになり、生活のリズムを整えやすくなります。妊娠中の人や持病で治療中の人は、自己判断で食事量を大きく減らさず、医療機関への相談をご検討ください。
肥満症の食事療法について、詳しく知りたい方は以下もご覧ください。
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(参考文献)
日本肥満学会 編. 肥満症診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版, 2022.(第5章 治療 p.51-56、p.63-68)
Muramoto A, Matsushita M, Kato A, et al. Three percent weight reduction is the minimum requirement to improve health hazards in obese and overweight people in Japan. Obes Res Clin Pract. 2014;8(5):e466-e475.
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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