長鎖脂肪酸代謝異常症の子ども本人に病気のことをいつ、どう伝えますか?
年齢や理解度に合わせて段階的に伝えます。幼児期は生活のルールとして、学童期以降に病気の仕組みや自己管理の大切さを伝えていきます。
長鎖脂肪酸代謝異常症のような生涯にわたる管理が必要な病気のことをお子さん本人に伝える際は、一度にすべてを話すのではなく、年齢や発達段階に合わせて、段階的に行っていくことが非常に重要です。専門家はこれを「告知(ディスクロージャー)」と呼び、お子さんの心の成長に配慮しながら丁寧に進めることを推奨しています。
【幼児期(3歳〜就学前)】
病気の難しい仕組みを伝える必要はありません。「おなかが痛くならないように、特別なミルクを飲もうね」「元気に遊ぶために、おやつは必ず食べようね」というように、具体的な生活上のルールとその簡単な理由として伝えます。なぜ自分だけ違うのか、という疑問には正直に、かつわかりやすい言葉で答えることが大切です。
【学童期(小学生)】
少しずつ自分の体のことや病気について理解できるようになります。「〇〇くん(さん)の体は、みんなと少しだけ違って、脂肪をエネルギーに変えるのが苦手なんだ。だから、お腹が空きすぎるとしんどくなっちゃう。それを防ぐために、食事の時間を守ったり、特別な油を使ったりするんだよ」というように、病気の基本的な仕組みと、なぜ治療(食事管理)が必要なのかを伝えます。学校生活での注意点なども、理由と一緒に話すことで、お子さん自身が納得して行動できるようになります。
【思春期(中学生以降)】
病名や遺伝のこと、将来の生活(進学、就職、結婚など)について、より詳しく、医学的な情報も交えて話せる時期です。この時期は、親からの一方的な管理ではなく、お子さん自身が主体的に病気と向き合い、自己管理していくための移行期間として非常に重要です。医師や遺伝カウンセラーなども交え、本人の疑問や不安に寄り添いながら対話を重ねていくことが求められます。
どの段階においても、「病気だからダメ」という否定的な伝え方ではなく、「あなたらしく元気に過ごすための工夫だよ」という肯定的なメッセージで伝えることが、お子さんの自己肯定感を育むうえで大切です。


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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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