長鎖脂肪酸代謝異常症の赤ちゃんが母乳を飲むことはできますか?

原則として推奨されません。母乳には代謝できない長鎖脂肪酸が多く含まれるため、特殊ミルクで栄養管理するのが一般的です。

長鎖脂肪酸代謝異常症と診断された赤ちゃんが、母乳を飲むことについては、原則として推奨されず、特別な配慮が必要となります。

その理由は、母乳の成分にあります。母乳は赤ちゃんにとって理想的な栄養源ですが、その脂質の多くは「長鎖脂肪酸」で構成されています。長鎖脂肪酸代謝異常症の赤ちゃんは、この長鎖脂肪酸を体内でうまく分解してエネルギーに変えることができません。そのため、母乳をそのまま飲むと、分解できない長鎖脂肪酸や、その中間代謝物が体内に蓄積し、低血糖、心筋症、肝機能障害といった重篤な症状を引き起こす危険性があるのです。

したがって、この病気の赤ちゃんには、治療の基本として、長鎖脂肪酸の摂取を厳しく制限する必要があります。その代わりに、エネルギー源として利用できる中鎖脂肪酸(MCT)を主成分とした特殊ミルク(治療用ミルク)が処方され、これを中心に栄養管理が行われます。

ただし、病気のタイプや重症度によっては、専門医の非常に厳密な管理のもとで、搾乳した母乳の量を制限しながら特殊ミルクと併用するケースも、まれにあります。しかし、自己判断で母乳を与えることは絶対に避けるべきです。

赤ちゃんの安全を最優先し、必ず代謝疾患を専門とする医師や管理栄養士の指示に従って、最適な栄養管理を行っていくことが極めて重要です。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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