長鎖脂肪酸代謝異常症の末期症状はどのようなものがありますか?

心臓の機能が低下する心筋症、肝不全、筋肉が壊れる横紋筋融解症、重い低血糖による昏睡など、多臓器不全に至る危険があります。

長鎖脂肪酸代謝異常症の「末期症状」とは、病気が進行し、適切な治療や管理が行われなかった場合に起こりうる、命に関わる非常に重篤な状態を指します。この病気の根本は、脂肪をエネルギーに変えられないことによる深刻なエネルギー不足です。特に心臓や筋肉、肝臓といった、常に大量のエネルギーを必要とする臓器に深刻なダメージが現れます。

主な末期症状は、以下の通りです。

重症心筋症と心不全

心臓の筋肉(心筋)がエネルギー不足で弱り、血液を全身に送り出すポンプ機能が著しく低下します。これにより、呼吸困難や全身のむくみを伴う重い心不全となり、不整脈を起こして突然死に至る危険性もあります。

肝不全

処理できない脂肪が肝臓に蓄積し、肝機能が著しく低下します。これにより、血液を固める物質が作れなくなったり、意識障害(肝性脳症)を引き起こしたりします。

横紋筋融解症と急性腎障害

骨格筋が広範囲に壊れてしまい、その内容物が血液中に漏れ出します。これにより、腎臓に大きな負担がかかり、尿が出なくなる急性腎障害(急性腎不全)を引き起こします。

低血糖性昏睡

エネルギー不足が限界に達すると、脳の活動を維持できなくなり、重度の低血糖によって深い昏睡状態に陥ります。

これらの状態が複合的に起こる多臓器不全が、この病気の最も深刻な末期状態です。しかし、新生児マススクリーニングによる早期発見と、厳密な食事療法や急性期の適切な対応によって、現在ではこのような重篤な状態に至るのを防ぐことが可能になっています。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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