長鎖脂肪酸代謝異常症ではどのような症状がありますか?
絶食や感染をきっかけに、低血糖、筋力低下、筋肉痛、心筋症などが起こります。新生児期には突然死に至る重篤な場合もあります。
長鎖脂肪酸代謝異常症の症状は、脂肪をエネルギーとして利用できないために起こる「エネルギー不足」と、分解できない脂肪酸が体内に蓄積することによって現れます。症状の現れ方や重症度は、病気のタイプや年齢によって大きく異なります。
主な症状は、以下の通りです。
- 低血糖発作:空腹時や発熱、感染症などで体にエネルギーが必要になった時に、脂肪をエネルギー源にできないため、血糖値が急激に低下します。ぐったりしたり、意識がなくなったり、けいれんを起こしたりすることがあり、命に関わる危険な状態です。
- 筋肉の症状:筋肉もエネルギー不足に陥り、筋力が低下したり、筋肉痛が起こりやすくなります。重症の場合、運動などをきっかけに筋肉の細胞が壊れてしまう「横紋筋融解症」を起こすことがあります。この時、尿の色が赤褐色になるのが特徴です。
- 心臓の症状:心臓の筋肉(心筋)もエネルギー不足になり、心臓のポンプ機能が低下する「心筋症」を発症することがあります。息切れやむくみ、不整脈などの症状が現れます。
- 肝臓の症状:肝臓に脂肪がたまり、肝臓が腫れたり、肝機能が低下したりすることがあります。
特に、新生児期や乳児期に発症するタイプは症状が重篤で、適切な治療が行われないと突然死に至ることもあります。そのため、新生児マススクリーニングによる早期発見が非常に重要です。


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(参考文献)
Jerry Vockley. Long-Chain Fatty Acid Oxidation Disorders and Current Management Strategies. Am J Manag Care. 2020, 26, S147–S154.
J Lawrence Merritt 2nd et al. Fatty acid oxidation disorders. Ann Transl Med. 2018, 6, 473.
日本先天代謝異常学会移行期医療委員会.“極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症”.日本小児科学会.https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240130_GL064.pdf,(参照 2025-10-16).
代謝疾患分野|長鎖脂肪酸代謝異常症(平成22年度).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/790(参照 2025-10-16)
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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