長鎖脂肪酸代謝異常症の「長鎖脂肪酸」とはなんですか？

「長鎖脂肪酸」とは、私たちが食事から摂取したり、体内に蓄えたりしている脂肪の主成分である「脂肪酸」の一種です。脂肪酸は、炭素原子（C）が鎖のようにつながった構造をしており、その鎖の長さによっていくつかの種類に分けられます。

• 短鎖脂肪酸：炭素の数が少ない
• 中鎖脂肪酸：炭素の数が中間くらい
• 長鎖脂肪酸：炭素の数が12個以上と比較的長いもの

長鎖脂肪酸は、オリーブオイルに含まれるオレイン酸や、肉の脂身に含まれるパルミチン酸など、一般的な食品の脂質の多くを占めており、私たちの体にとって非常に重要なエネルギー源です。通常、体は空腹時や運動時など、エネルギーが必要になると、体内に蓄えられているこの長鎖脂肪酸を細胞内の「ミトコンドリア」というエネルギー工場で分解し、エネルギーを取り出します。

長鎖脂肪酸代謝異常症とは、この長鎖脂肪酸を分解してエネルギーに変えるための酵素などが、生まれつき欠けている病気です。そのため、この病気の患者さんは、エネルギーが必要な状況になっても、長鎖脂肪酸をうまく利用できず、深刻なエネルギー不足に陥ってしまうのです。