長鎖脂肪酸代謝異常症の最新の治療法について教えてください。

従来の食事療法に加え、特殊な中鎖脂肪酸であるトリヘプタノイン(製品名DojolviⓇ)が新しい治療薬として登場し、効果を上げています。

長鎖脂肪酸代謝異常症の治療は、長年、絶食を避けることと、消化しやすい中鎖脂肪酸(MCT)を利用する食事療法が中心でした。しかし、近年、より効果的にエネルギー代謝を改善するための新しい治療法が登場し、注目されています。

【最新の治療薬:トリヘプタノイン】

現在、最も新しい治療法として確立されているのが、「トリヘプタノイン」という特殊な油を主成分とする経口液剤(製品名:DojolviⓇ)です。

トリヘプタノインは、炭素の数が奇数(7個)である脂肪酸から作られています。これを摂取すると、体内で分解されてエネルギー源となるだけでなく、エネルギーを作り出すための重要な代謝回路である「TCA回路」の働きを直接助けることができます。

従来のMCTオイルがエネルギー補給の役割が主であったのに対し、トリヘプタノインはエネルギー回路そのものを円滑に回す「潤滑油」のような役割も果たします。これにより、エネルギー不足をより根本的に改善し、低血糖発作や筋肉の症状、入院回数を減らすといった高い効果が臨床試験で示されています。2020年に米国で承認され、日本でも2021年から保険適用となっています。

【研究開発中の治療法】

さらに将来的には、病気の根本原因である遺伝子にアプローチする遺伝子治療や、不足している酵素そのものを補充する酵素補充療法などの開発も進められています。これらはまだ研究段階ですが、根治を目指すための革新的な治療法として、大きな期待が寄せられています。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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