「長鎖脂肪酸代謝異常症」とはどのような病気ですか?

脂肪をエネルギーに変える体の仕組みに生まれつき異常がある病気です。絶食や運動をきっかけに、低血糖や筋肉の障害などを起こします。

長鎖脂肪酸代謝異常症は、体内のエネルギー源である「脂肪」を分解して、エネルギーに変えるための酵素などが、生まれつきうまく働かない病気(先天性代謝異常症)の一群です。

私たちの体は、食事から摂った糖分を、主なエネルギー源として使いますが、空腹時や長時間の運動時など、糖分が不足すると、蓄えられている脂肪(特に長鎖脂肪酸)を分解してエネルギーを作り出します。

しかし、この病気の患者さんは、脂肪をエネルギーに変える過程(β酸化)に異常があるため、糖分が枯渇すると深刻なエネルギー不足に陥ってしまいます。その結果、以下のような症状が引き起こされます。

  • 低血糖発作:特に空腹時に意識障害やけいれんを伴う危険な低血糖を起こします。
  • 筋肉の症状:エネルギー不足により筋肉がダメージを受け、筋力低下、筋肉痛、さらには筋肉が壊れてしまう「横紋筋融解症」などを起こします。
  • 心臓の症状:心臓もエネルギー不足となり、「心筋症」を起こして心臓の働きが悪くなることがあります。
  • 肝臓の症状:肝臓に脂肪がたまり、肝機能障害を起こすこともあります。

症状の重さは病型のタイプによってさまざまです。日本では、新生児マススクリーニング検査の対象となっており、生まれてすぐに見つけることが可能です。治療の基本は、エネルギー不足にならないよう絶食を避けることと、脂肪の摂取を制限し、代わりに消化しやすい中鎖脂肪酸(MCT)などを利用する食事療法です。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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