慢性骨髄単球性白血病とはどのような病気ですか?
造血幹細胞異常による血液疾患で、骨髄増殖性疾患と骨髄異形成症候群の特徴を併せ持っています。
慢性骨髄単球性白血病(CMML)は、骨髄増殖性疾患(MPN)と 骨髄異形成症候群(MDS)の両方の特徴を併せ持ち、造血幹細胞異常に起因する血液疾患です。
発症の平均年齢は73~75歳で、男性に多く見られます。病変は骨髄と血液中に存在し、骨髄以外の病変としては肝臓・脾臓・リンパ節が 多く、その他の部位に白血病細胞が集合することもあります。
CMMLの診断には、持続的な末梢血単球増多症(3ヶ月以上、単球が1000/μl以上で白血球の10%以上を占めること)と骨髄の形態異常が必要です。
患者さんの約30%に細胞遺伝学的異常が見られ、90%以上がTET2(約60%)、SRSF2(約50%)、ASXL1(約40%)などの遺伝子変異を有します。
治療法には、低メチル化薬(アザシチジンやデシタビン)による治療が一般的ですが、完全寛解率は低く、根治的治療には同種造血幹細胞移植が必要です。
また、予後は遺伝子変異や臨床的特徴に基づくリスク分類に反映されており、高リスク群では生存期間が短くなる傾向があります。
CMMLは臨床的および分子遺伝学的に多様性があり、その診断と治療には複数の因子を考慮する必要があります。
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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「慢性骨髄性白血病」とはどのような病気ですか?
血球を産生する造血幹細胞に異常が起こる血液のがんのひとつで、白血球や血小板が異常に増える病気です。
慢性骨髄性白血病の原因は何がありますか?
造血幹細胞にフィラデルフィア染色体という染色体異常が生じ、血液細胞ががん化することが原因です。
慢性骨髄性白血病ではどのような症状がありますか?
疲れやすさ、体重減少、発熱が一般的です。進行すると脾臓の腫れによる左上腹部の違和感、感染症のリスク増加、貧血による息切れや動悸、頭痛、目のかすみ、手足のしびれが現れます。
慢性骨髄性白血病には初期症状はありますか?
初期には症状が乏しいことが多いです。疲れやすさ、体重減少、発熱がみられることがあります。
慢性骨髄性白血病の場合、主にどのような治療をしますか?
チロシンキナーゼ阻害剤という薬を主に使用します。造血細胞移植を行う場合もあります。
慢性骨髄性白血病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
内科(血液内科)を受診してください。
慢性骨髄性白血病のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
慢性骨髄性白血病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
チロシンキナーゼ阻害薬が主に使用され、代表的な薬はイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブです。副作用には胃腸の不調、疲労感、皮膚の異常、むくみ、筋肉や関節の痛みがあります。
慢性骨髄性白血病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
治療選択肢には別のTKI(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ポナチニブ)、アシミニブ、造血細胞移植、化学療法があります。
慢性骨髄性白血病の場合、日常生活で気を付けることはありますか?
薬の服用、副作用の管理、定期検査、感染予防、健康的な生活習慣が重要です。
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