境界型糖尿病と糖尿病の違いはなんですか?
血糖値の高さで区別されます。境界型は糖尿病の一歩手前の「予備軍」状態で、生活習慣改善で正常に戻せる可能性がありますが、糖尿病は治療が必要な病気です。
境界型糖尿病と糖尿病の最も大きな違いは、血糖値の高さと病気としての進行度にあります。
境界型糖尿病は、血糖値が「正常」よりは高いものの、「糖尿病」と診断される基準にはまだ達していない、文字通り「正常と糖尿病の境界にある状態」です。「糖尿病予備軍」とも呼ばれ、この段階ではまだ病気とは見なされません。自覚症状はほとんどありませんが、放置すると高い確率で本格的な糖尿病に進行します。しかし、この段階で食事や運動などの生活習慣を改善すれば、血糖値を正常に戻し、糖尿病の発症を防ぐことが可能です。
一方、糖尿病は、血糖値が診断基準を超えるほど慢性的に高い状態であり、明確に「治療が必要な病気」です。インスリンの作用不足により、体が血糖をうまくコントロールできなくなっています。放置すると、神経障害、網膜症、腎臓病、心筋梗塞、脳卒中など、全身に深刻な合併症を引き起こす危険があります。そのため、生活習慣の改善に加えて、多くの場合、血糖降下薬の内服やインスリン注射といった薬物療法が必要になります。
境界型糖尿病(糖尿病予備群)は、血糖値が正常値より高いが糖尿病の診断基準には達しない状態です。
糖尿病は「空腹時血糖126mg/dL以上」「HbA1c 6.5%以上」「75gブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上」のいずれかで診断されます。
一方、境界型は「空腹時血糖110~125mg/dL」「HbA1c 5.6~6.4%」「OGTT 2時間値140~199mg/dL」と定義されます。
つまり、境界型は糖尿病と診断される一歩手前の状態であり、放置すれば糖尿病や心血管疾患に進行するリスクが高いのが特徴です。この段階で生活習慣を改善することが将来的な健康維持に直結します。
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
(参考文献)
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