ポンペ病を放置するとどうなりますか？

ポンペ病を放置すると、乳児型では命に関わる状態に、遅発型では重い呼吸不全や寝たきりに至ります。

ポンペ病は、体内の糖（グリコーゲン）を分解する酵素が生まれつき不足し、筋肉や心臓の細胞に糖がたまって障害が進む遺伝性の病気です。治療せずに放置すると、症状は時間とともに確実に悪化します。

乳児型を放置した場合

乳児型は酵素がほとんど働いていないため、進行が速く、放置すると生後すぐから障害が進行し重症化します。心肥大（心臓が大きくなる）、心不全、筋力の著しい低下、呼吸不全（呼吸が浅く二酸化炭素が体にたまる）、哺乳力が弱く体重が増えないなどの症状が進行し、未治療では生後1年以内に命に関わる状態になることが多いです。

遅発型を放置した場合

幼児期〜成人期にゆっくり進行する遅発型では、心臓よりも骨格筋（体を動かす筋肉）と呼吸筋（呼吸に使う筋肉）の障害が主です。放置すると、歩行困難、転びやすい、階段が登れない、呼吸不全、睡眠中の呼吸障害（睡眠時低換気）、肺炎などの感染で急激に呼吸状態が悪化するといった問題が現れ、人工呼吸器が必要になることもあります。

現在は酵素補充療法という根本治療があり、特に乳児型では早期導入により、心機能の改善、生存率の向上、運動発達の改善が明確に示されています。遅発型でも進行を遅らせ、生活の質を高める効果が期待できます。

ポンペ病を治療せずに放置すると、進行性で最終的には致死的な筋不全および呼吸不全に至ります。早期治療が重要です。