気管支炎から小児喘息(重症)になることはありますか?
ウイルスによる下気道感染が、後に小児喘息の発症に関与することが報告されています。
小児喘息の発症には、乳幼児期の下気道感染、特にウイルス感染が重要な要因の一つとして考えられています。
具体的には次のような報告があります。
- ライノウイルスやRSウイルスなどのウイルス感染が喘息の発症に関わることが報告されています。
- 乳児期にRSウイルスによる重症の細気管支炎(気管支の炎症)になった場合、気道の細胞が傷つき、痰の中に剥がれ落ちた気道細胞の塊が見られると、5歳までに喘息を発症する可能性が高くなることが示されています。
- RSウイルスに対する特別な薬(パリビズマブ)を使うと、3歳時点での繰り返し起こる喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)の発症が抑えられるという報告もあります。
- 3歳までにライノウイルスによる下気道感染があった子どもは、ウイルスが検出されなかった子どもに比べて、6歳までに喘息を発症するリスクが約9.8倍と、RSウイルス感染(約2.6倍)よりも有意に高いと報告されています。
このように、ウイルスによる気管支の炎症が、その後の小児喘息の発症リスクを高めることが示唆されています。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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