小児喘息(重症)は何歳から何歳まで続きますか?

小児喘息の症状が続く期間は個人差があります。

解説

小児喘息の長期的な経過については、様々な調査研究が行われています。

メルボルン喘息研究

7歳で調査が開始されたお子さんのうち、50歳時点での寛解(症状がなくなること)の割合は、軽度の喘鳴群では64%、中等症の喘息群では47%、重症喘息群では15%でした。喘息群では14歳から21歳の間に寛解することが最も多いとされています。

タスマニア長期健康研究

7歳で調査が始まったお子さんのうち、46歳時点で65%が寛解していました。男の子の方が寛解しやすく、鼻炎や湿疹の合併、お母さんの喘息、小児期の慢性気管支炎があると、大人になっても喘息が続きやすい要因となります。

ダニーデン学際健康発達研究

3歳から追跡調査されたお子さんで、26歳時点でも喘鳴症状が続いていたのは14.5%でした。一度症状が消えても26歳までに再発したお子さんは12.4%いました。38歳時点でも喘息が続いていたのは11%でした。

ツーソン小児呼吸器研究

出生から追跡されたお子さんで、平均22歳(18〜24歳)まで喘息症状が続いた割合は、喘鳴が一度もない群で8%、早期に一時的な喘鳴があった群で13%、遅れて喘鳴が出た群で42%、喘鳴が持続する群で59%でした。

CAMP研究

5〜12歳の軽症から中等症の喘息を持つお子さんを対象とした研究で、成人期までに26.0%が「臨床的寛解」(症状がない状態)に、15.0%が「厳密な寛解」(症状がなく、呼吸機能もほぼ正常な状態)になっていました。

これらの研究から、小児喘息は年齢とともに症状が落ち着き「寛解」するお子さんが多い一方で、成人期まで症状が持続するケースもあることがわかります。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

おすすめのQ&A
関連する病気と症状

(参考文献)

この記事をシェアする

治療が必要な患者様へのお願い

小児喘息(重症)

の方は説明を必ずお読みください

こちらのQRコードを

スマーフォンのカメラで読み取ってください

疾患について分かりやすくまとまっています
1

QRコードを読み取るだけ 非接触で安心

2

一問一答なので 読むのが簡単

3

どんな治療をするべきか 納得して取り組める

関連するQ&A
関連する病気と症状
気になる症状はユビーアプリで簡単チェック
初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

ネットで医師相談
ネットで医師相談

ユビーかんたん医師相談

病院にすぐに行くべきかなど悩んだタイミングですぐに相談。つらくて病院に行けないとき、時間がないとき、夜間や休日などに、いつでも医師に相談できます。