ニューモシスチス肺炎（PCP）は主にどのような薬で治療しますか？副作用はありますか？

治療には抗菌薬を使用します。
まずは、ST合剤（スルファメトキサゾール・トリメトプリム、飲み薬もしくは注射薬）を使用しますが、副作用などのため継続できないことも多いです。
その場合には、ペンタミジン（注射薬）やアトバコン（飲み薬）を使用します。また、状態によってステロイド剤が使用される場合があります。
治療の詳細は「ニューモシスチス肺炎（PCP）の場合、主にどのような治療をしますか？」をご参照ください。

各治療薬の主な副作用や重大な副作用は以下のとおりです。
使用中は、これらの副作用に十分注意する必要があります。気になる症状があれば、すぐに医師・薬剤師へご連絡してください。

ST合剤（バクタⓇ配合錠、ダイフェンⓇ）

重大な副作用（頻度：いずれも不明）

• 血液成分（赤血球、白血球、血小板）の減少（主な症状：動悸、息切れ、ふらつき、発熱、のどが痛くなる、出血しやすいなど）
• 血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群（主な症状：倦怠感、発熱、皮膚のあざなど）
• ショック、アナフィラキシー（主な症状：発疹が出てかゆい、気分が悪くなる、目や口唇のまわりがはれる、息苦しいなど）
• 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑（主な症状：高熱、水ぶくれ、目や口など粘膜がただれる、全身に赤みがでるなど）
• 薬剤性過敏症症候群（主な症状：発疹、発熱、リンパ節が腫れる）
• 急性膵炎（主な症状：発熱、腹痛、背中の痛み）
• 血便を伴う重篤な大腸炎（主な症状：発熱、腹痛、下痢）
• 低血糖発作（主な症状：めまい、ふらつき、冷や汗、脱力感など）
• 重度の肝臓、腎臓の障害
• 高カリウム血症、低ナトリウム血症
• 横紋筋融解症（主な症状：筋肉痛）

そのほか報告されている副作用（頻度：0.1～5％未満）

• 発疹
• そう痒感
• 食欲不振
• 悪心・嘔吐
• 下痢
• 便秘
• 腹痛
• 胃不快感
• 口内炎や舌・口の周りの荒れ
• 頭痛
• 発熱

アトバコン（サムチレールⓇ）

重大な副作用（頻度：いずれも不明）

• 皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑（主な症状：発熱、赤い発疹、口の中などの痛みを伴う発疹など）
• 重度の肝臓の障害（主な症状：倦怠感、食欲不振、吐き気など）
• 白血球の減少（主な症状：のどが痛くなる、寒気がする、発熱など）

そのほか報告されている副作用（頻度：いずれも不明）

• 貧血
• 血管性浮腫（唇の周りなどが腫れる）
• 気管支痙攣（息がゼイゼイして苦しい）
• のどの締められる感じ
• 頭痛
• 不眠症
• 悪心・嘔吐
• 下痢
• 肝酵素上昇
• 発疹
• 発熱

ペンタミジン（ベナンバックスⓇ）

重大な副作用［頻度］

• ショック［0.2%］、アナフィラキシー［不明］（主な症状：冷や汗がでる、意識がうすくなる、息苦しいなど）
• 皮膚粘膜眼症候群［不明］（主な症状：発熱、赤い発疹、口の中などの痛みを伴う発疹など）
• 錯乱・幻覚［0.2%］（主な症状：意識が乱れる、実際にはないものが見えたり聞こえたりするなど）
• 腎臓の障害［0.7%］（主な症状：むくみ、疲れやすい、尿がでにくいなど）
• 低血圧［2.2%］、QT延長［不明］、心室性不整脈［0.5%］、高度徐脈［不明］（主な症状：立ちくらみがする、動悸、気を失うなど）
• 低血糖［5.4%］（主な症状：めまい、ふらつき、冷や汗、脱力感など）
• 高血糖［不明］、糖尿病［不明］
• 膵臓の炎症［0.5%］

そのほか報告されている副作用（頻度：5以上）

• 悪心
• 嘔吐