マイコプラズマの初期症状は?マイコプラズマ感染症
監修医師折茂 圭介呼吸器内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
マイコプラズマ肺炎とは
肺炎マイコプラズマという細菌による感染症で、気管支炎・肺炎を最も多く起こします。頻度は小児や若年層において高く、高齢者の患者は多くありません。
「マイコプラズマ肺炎」とはどのような病気ですか?
通常の細菌性肺炎とは異なる「非定型肺炎」の一種で、マイコプラズマという微生物の感染で起こります。
マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という微生物に感染することによって引き起こされる肺炎です。 一般的な肺炎(細菌性肺炎)の原因となる肺炎球菌などとは異なる性質を持つため、「非定型肺炎」に分類されます。
細菌性肺炎の治療によく使われるペニシリン系やセフェム系などの「β-ラクタム系」と呼ばれる抗菌薬が効かないという特徴があります。 小児や若年成人に多くみられますが、高齢者でも発症することがあります。
マイコプラズマ肺炎の症状
マイコプラズマ肺炎には初期症状はありますか?
発熱、全身の倦怠感、頭痛、喉の痛みなど、一般的な風邪症状とよく似ています。
マイコプラズマ肺炎の初期症状は、発熱、全身のだるさ、頭痛、喉の痛みが中心で、風邪やインフルエンザとよく似ています。最大の特徴は、肺炎の代表的な症状である咳が初めはあまり出ないか、まったく出ないことです。咳は熱が出てから3~5日ほどたってから現れ、次第に痰の出ない乾いた激しい咳へと変わっていきます。
このため、最初は風邪だと思ってしまい、肺炎に気づきにくいことがあります。特に子どもや若い人に多く見られ、学校などで流行することもあります。症状が長引いたり、咳が強くなってきた場合には、早めに病院を受診して医師に相談するようにしましょう。
マイコプラズマ肺炎の原因
マイコプラズマ肺炎の原因は何がありますか?
「肺炎マイコプラズマ」という病原体(非定型病原体)に感染することが原因です。
マイコプラズマ肺炎は、細菌とウイルスの中間的な性質を持つ「肺炎マイコプラズマ」という微生物が肺に感染して炎症を起こすことで発症します。
肺炎の原因微生物には、肺炎球菌などの「一般細菌」と、それ以外の「非定型病原体」がありますが、肺炎マイコプラズマは非定型病原体の代表的なものです。
市中肺炎(病院外で日常生活をしている人に発症する肺炎)の原因として、肺炎球菌、インフルエンザ菌に次いで多く報告されています。
マイコプラズマ肺炎の治療・対処法
マイコプラズマ感染症への対処法は?
小児や若者の長引く咳の原因として見つかることがあります。自然治癒する場合もありますが、治療する場合には抗菌薬で治療を行います。飛沫により周囲に感染するので、症状のある間は極力他人との接触は避け、マスクを着用しましょう。
マイコプラズマ肺炎の場合、主にどのような治療をしますか?
自然に治ることもありますが、必要に応じてマクロライド系などの抗菌薬を使用します。
多くの患者さんにおいて、経過は軽度であり、抗菌薬なしでも完全に回復することがあります。
薬物療法を行う場合は、肺炎マイコプラズマに効果のある抗菌薬を使用します。
- マクロライド系(アジスロマイシンなど):第一選択薬
- テトラサイクリン系(ドキシサイクリンなど)
- レスピラトリーキノロン系(レボフロキサシンなど)
細胞壁を持たない細菌であるため、細胞壁を壊すタイプの抗菌薬(ペニシリン系など)は効果がありません。
受診の目安・何科を受診するべきか
マイコプラズマ肺炎が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
大人は内科あるいは呼吸器内科、中学生以下のお子様は小児科を受診してください。
マイコプラズマ肺炎が疑われる場合、大人は内科あるいは呼吸器内科、中学生以下のお子様は小児科を受診してください。
診断には胸部レントゲンや血液検査が必要となることが多いため、検査設備の整ったクリニックや病院が適しています。一般的な風邪薬では改善しないことが多く、専用の抗菌薬による治療が必要です。
受診の際は「咳が長く続いている」「周囲に流行している」といった経過を詳しく伝えると、スムーズな診断につながります。
マイコプラズマ肺炎が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
咳が激しく長引く場合には受診しましょう。
受診の目安は、咳が激しく長引く場合です。特に「夜眠れないほどの咳が出る」「熱が下がっても咳だけが悪化する」といった症状がある際は受診を検討してください。
また、38度以上の高熱が3〜4日以上続く場合や、市販薬を服用しても改善が見られない場合、階段の上り下りなどで息切れ・呼吸の苦しさを感じる場合も肺炎の可能性があります。
通常の風邪とは治療薬が異なるため、「ただの風邪にしては症状が重い・長い」と感じたら、早めに呼吸器内科や内科へ相談することをおすすめします。
マイコプラズマ感染症の専門医がいる近くの病院はありますか?
マイコプラズマ感染症の専門医がいる病院を見るマイコプラズマ肺炎の薬
マイコプラズマ肺炎は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
マクロライド系やテトラサイクリン系などの抗菌薬を用います。
治療はマクロライド系(アジスロマイシンなど)が第一選択ですが、効きにくい場合はニューキノロン系やテトラサイクリン系の薬に変更することがあります。
これらの薬の主な副作用には、下痢、吐き気、腹痛などのおなかの不調があります。また、薬によっては発疹が出たり、日光に当たると皮膚が赤くなる「光線過敏症」という症状が出ることもあります。薬は自己判断でやめず、医師の指示通りに最後まで飲み切ることが大切です。副作用が強く出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。
マイコプラズマ肺炎は、特に子どもや若い人に多く見られますが、重症化することもあるため、咳が長引くなどの症状があるときは、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
対処法・セルフケア
マイコプラズマ肺炎の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
症状があるうちは療養を心がけてください。
まずは十分な安静と水分補給を心がけてください。無理をすると症状が長引くことがあります。
感染力が強いため、同居家族がいる場合はタオルの共用を避け、手洗い・マスク着用を徹底することが重要です。特に熱が下がっても咳は数週間続くことがあるため、外出時の咳エチケットは必須です。
登校や出勤の再開時期に法律上の明確な基準はありませんが、感染を広げないため、咳が激しい間は自宅療養をおすすめします。具体的な復帰時期は医師の指示に従ってください。
マイコプラズマ肺炎の早く治す方法はありますか?
特効薬のような早道はありませんが、適切な抗菌薬の使用が回復を助けます。
マイコプラズマ肺炎は、自然に回復することもありますが、症状がつらい場合や長引く場合は、医師の診断のもとで抗菌薬(マクロライド系など)を使った治療が行われます。軽い症状であれば5〜7日間、重い場合は7〜14日間の治療が必要になることがあります。
薬を使っても熱が下がらないときは、薬が効かないタイプの菌(耐性菌)の可能性があるため、自分で判断せずに医師に相談しましょう。また、咳が長く続いたり、息苦しさがある場合も、早めに病院を受診することが大切です。個人の体の状態によって治療法が変わることもあるので、気になる症状があれば、主治医に相談するようにしましょう。
マイコプラズマ肺炎に関連するその他の質問
マイコプラズマ肺炎はどのようにして人から人へうつるのですか?
主に感染者の咳やくしゃみに含まれるしぶき(飛沫)を吸い込むことで感染します。
感染経路は主に飛沫(ひまつ)感染です。感染者の咳やくしゃみで飛び散るしぶきを、近くの人が吸い込むことで感染します。そのため、学校や家庭内など、人が集まる閉じた場所で広がりやすいのが特徴です。特に長時間一緒に過ごす家族などとの接触では感染力が強く、家庭内では同居している人の最大90%にまで広がることもあると報告されています。
また、感染してもすぐに症状が出ないことがあり、知らないうちに他の人にうつしてしまうこともあります。マスクの着用や手洗い、換気などの予防が大切です。咳が長引く、熱が続くなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
マイコプラズマ肺炎は大人でも感染しますか?
はい、感染します。特に60歳未満の若年成人に比較的多くみられます。
マイコプラズマ肺炎は小児に多い病気というイメージがありますが、成人でも感染・発症します。特に、細菌性肺炎と区別するためのチェック項目のひとつに「年齢60歳未満」が含まれており、若い世代の肺炎の原因として頻度が高いことが知られています。ただし、高齢者であっても感染・発症する可能性はあり、重症化する場合もあるため注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎は、咳が長引く、発熱が続くなどの症状が特徴で、風邪と間違えやすいことがあります。人から人へうつるため、学校や職場などで集団感染が起こることもあります。気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診し、医師へ相談するようにしましょう。
マイコプラズマの潜伏期間はどのくらいですか?
感染してから発症するまでの期間は、平均して2週間から3週間です。
マイコプラズマに感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は、平均して2〜3週間とされています。これはインフルエンザなどの他の呼吸器感染症と比べて長めです。症状としては、咳や発熱、喉の痛みなどがあり、特に咳が長く続くことが特徴です。
子どもから大人まで幅広い年齢層に感染する可能性があり、学校や職場など人が集まる場所で広がりやすいです。感染してもすぐに症状が出ないため、知らないうちに他の人にうつしてしまうこともあります。気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診し、医師へ相談するようにしましょう。
マイコプラズマ肺炎について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「マイコプラズマ感染症」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 熱が高い割には元気ですか?あるいは元気に見えますか?
- せきが出ていますか?
- 夜も咳で起きてしまいますか?
- 体温は37.5℃以上ですか?
- けいれん発作がありましたか?
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この記事の監修医師
折茂 圭介
呼吸器内科・アレルギー科・内科
東北大学医学部卒。東京都立駒込病院での初期研修を経て東京女子医科大学呼吸器内科入局。大学院で国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー感染研究部に国内留学。博士課程修了後、同研究室で研究員として勤務。専門は呼吸器内科学、特に喘息をはじめとするアレルギー学。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03