長鎖脂肪酸代謝異常症で絶食が危険な理由はなんですか?

脂肪をエネルギー源として利用できないためです。絶食すると体は脂肪を使おうとしますが、それができず深刻なエネルギー不足に陥ります。

長鎖脂肪酸代謝異常症の患者さんにとって、絶食が非常に危険な理由は、体のエネルギー供給システムに異常があるためです。

健康な人の体は、まず食事から摂った糖分をエネルギーとして使います。しかし、食事の間隔があいて空腹になると(絶食状態)、体は次に蓄えておいた脂肪(長鎖脂肪酸)を分解して、エネルギーを作り出そうとします。

ところが、長鎖脂肪酸代謝異常症の患者さんは、遺伝子の変異によって、この脂肪を分解してエネルギーに変えるための酵素がうまく働きません。そのため、絶食状態が続くと、以下のような危険な事態が体の中で起こります。

深刻なエネルギー不足

糖分が枯渇したにもかかわらず、バックアップのエネルギー源である脂肪を使えないため、体全体が深刻なエネルギー不足に陥ります。特に脳はブドウ糖を主なエネルギー源とするため、血糖値が著しく低下し(低血糖)、意識障害やけいれんを引き起こします。

有害物質の蓄積

分解できない脂肪酸やその中間代謝物が、筋肉、心臓、肝臓などの細胞に蓄積し、毒として働きます。これにより、筋肉が壊れたり(横紋筋融解症)、心臓の機能が低下したり(心筋症)、肝機能障害が起こったりします。

このように、絶食は深刻なエネルギー欠乏と臓器障害を同時に引き起こし、命に関わる「代謝クライシス」という危険な状態の引き金となるため、絶対に避けなければなりません。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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